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プールを生物のすみかに 岡谷北部中3年生老朽施設活用

2025年12月13日


 岡谷北部中学校の3年生11人が、老朽化で使われなくなった校内のプールを、野生生物が生息できる「ビオトープ」にしようと取り組んでいる。施設を有効活用して自然環境の保全につなげ、将来的に地域住民も集まる交流の場とする狙い。これまでに日本ビオトープ管理士会(東京)の髙山光弘会長(69)=松本市=から助言を受けながら、清掃などを進めてきた。12日には鳥などが止まったり、水生生物がすみかにしたりできるよう手作りした木製の構造物をプールに沈めた。
 同校の総合的な学習の時間「北斗の時間」で、「水産」のテーマを選んだ生徒が5月に活動を開始。6月には、諏訪湖で「トンコ」と呼ばれるハゼやブルーギルなどを釣り、生態系についても調べてきたという。プールを釣り堀にする構想もあったが、ビオトープ作りに目標を変えて学習を進めてきた。
 構造物は四つ用意。授業だけでなく放課後も集まり、2週間かけて校内の木から切り取った枝を針金でまとめるなどして作った。諏訪湖で見た流木などを参考に、自然環境になるべく近いよう組み上げたという。鳥だけでなくチョウやトンボなどが羽を休められるようペットボトルを取り付けて浮かべたり、土の入ったプランターを組み込んで湖や川のように生き物が卵を産めるようにしたりと工夫。この日は、位置を試行錯誤しながら設置した。
 今後はこれまでの学習をまとめ、来年2月に1、2年生に発表する予定。生徒(15)は「ビオトープという言葉を知らないところから始め、助言を受けながら一つずつ作業を進めてきた。後輩に活動を引き継げるように、発表会で興味を持ってもらえるよう頑張りたい」と意気込んでいた。
(写真は、木製の構造物を設置する生徒たち)