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ものづくり大賞NAGANO グランプリに箕輪町のミカドテクノス

2025年12月10日


 機械装置メーカーのミカドテクノス(箕輪町三日町)が、優れた技術力を持つ県内の製造業者などを表彰する「ものづくり大賞NAGANO2025」(ものづくりNAGANO応援懇話会主催)でグランプリに選ばれた。液に漬けずにめっき処理ができ、環境への負荷も減らせる「スタンピング式真空めっき処理装置」の開発が認められた。
 トヨタ自動車が考案した技術を3年ほどかけて装置化したもので、金属イオンが透過する特殊な膜をスタンプのように製品に押し当ててめっき処理を行う。溶液を入れた水槽に製品を浸す必要がないため、処理にかかる時間を従来より5倍以上短縮でき、マスキングなしで必要な部位にのみ処理を施すことも可能。使用する溶液の量は30分の1に、水の量は8割削減できるという。
 真空熱加圧装置を主力製品とする同社では、めっき装置を手がけたことがなかったが「持っている技術やノウハウを応用すればできるのではないか」と手探りで新分野に挑戦してきた。伊藤隆志社長(57)は「世界的なものづくり企業であるトヨタと共創できたことは良い経験。更にこの技術を世に広められるよう、機械を進化させていきたい」と話した。
 同装置は、県が高度な技術や革新的な製品を認定し支援する「NAGANOものづくりエクセレンス2025」においても、ゼロカーボン達成に特に貢献する製品として「エクセレンスゼロカーボン部門」の認定を受けた。
(写真は、グランプリに選ばれた装置の前で賞状を掲げる伊藤社長)