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上伊那の障害者施設利用者が年賀状をデザイン

2025年12月6日


 上伊那地域にある障害者支援施設の利用者の絵を基にした年賀状のデザインが、完成した。利用者の収入を増やそうと、伊那市社会福祉協議会の多機能型事業所「輪っこはうす・コスモスの家」が取りまとめ、毎年作っている。ことしは縦と横の計11種類を用意し、19日(金)まで印刷を受け付ける。
 6施設の計31人が絵を描いた。モチーフは、来年の干支(えと)「午(うま)」にちなみ馬が中心。駆けたり、前足を上げたりして威勢のいい様子が表現されている。餅や羽子板、絵馬など正月を連想させる絵もあり、コスモスの家の職員が絵を組み合わせて配した。
 コスモスの家の利用者で、年賀状用に毎年絵を描く宮下司さん(37)は馬のほか、富士山や七福神など縁起物も描いた。七福神は、目の大きな愛らしい馬の姿をしている。「明るい気持ちになってほしいと思って描いた。年賀状を受け取った人に喜んでほしい」と話す。
 これまでに約600枚の申し込みがあった。連日のように注文が入っており、職員が忙しそうに対応にしている。コスモスの家の担当者は「この時期になると、利用者は張り合いで絵を描いてくれる。温かみのある絵が載っているので、利用してもらえれば」と呼びかけている。
 印刷は50枚以下の申し込みで1枚50円(税込み)。51枚以上は40円。はがき代は別。はがきの持ち込みもできる。個人の宛名書きにも対応し、別途20円で受け付けている。宛先が法人、企業の場合は受け付けない。個別のあいさつ文を載せることもでき、相談に応じる。
 年賀状のデザイン作りは2008年度に始めた。徐々に申し込みが増え、ピーク時には約6000枚を印刷し、1万枚を目標にしていた。ただ、ここ数年は年賀状離れが進んでいる影響か、減少傾向。昨年度は約2500枚。本年度は5000枚を目標に取り組んでいる。
 申し込み、問い合わせはコスモスの家(電0265・76・3390)へ。(写真は拡大した年賀状のデザインを持つ宮下さん)