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下諏訪町の旧「矢﨑商店」 国有形文化財に正式登録
2025年12月1日
下諏訪町御田町にある旧「矢﨑商店」が、正式に国登録有形文化財となった。町によると、11月17日付の官報で告示された。町内で昭和の建築が登録されたのは初めてで、建造物の同文化財はまち歩き休憩所「伏見屋邸」に続いて2例目。町は2027年度から新たな拠点として活用する予定としており、来年度には文化財価値を残した改修が進められる。
生糸問屋の旧商家。店舗兼主屋と文庫蔵、納屋の3棟が登録された。主屋は1936年の建築で、いずれも当主の矢﨑栄(02〜60年)が同じ年代に建てたとされる。ほかに類を見ない曲線のある看板建築と、細部まで高い技術が施された近代和風の家屋が融合した特異性、製糸業が隆盛した歴史が裏付けられる建築であることなどが認められた。
町は2022年度、主屋を新たな移住交流総合拠点施設として活用する計画で土地、建物を取得。住民を交えて活用方法を検討し、なるべく現存のまま生かす方針とした。価値を明らかにするため登録を目指し、信州大学や県建築士会、民間による産官学連携で調査や研究を実施。現在は、文化財価値を残しながら改修するための実施設計をしている。
新たな拠点として町は、地域住民や移住希望者、観光客らが交流する場所を目指しており、宿泊機能も持たせる方針。地元、御田町商業会の河西優子会長は取材に「商店街の歴史を反映した建物が、国登録有形文化財となってとても喜ばしい。さまざまな可能性を秘めた場所だと思うので今後、どんな形で活用されるか楽しみ」と期待した。
11月27日の町議会全員協議会で正式登録を報告した宮坂徹町長は「土蔵やみそ蔵を含めた建物群として、後世に残すべき価値ある物と認められ大変喜ばしい。愛される施設となるよう、引き続き事業を進めたい」と話した。(写真は、正式に国登録有形文化財となった旧「矢﨑商店」)
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