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力強い作品並ぶ 伊那文化会館で県現代書藝全国展

2025年11月30日


 県現代書藝協会の第30回県現代書藝全国展(市民新聞グループなど後援)は29日、伊那市の県伊那文化会館で2日間の日程で始まった。「一般」と「学生」の2部構成で、県内外から寄せられた計1170点が並ぶ。
 一般部は漢字や近代詩文書、篆刻、前衛書など7部門で350点。学生部は小学校、中学校、高校、大学の4部門で820点。色を付けた作品や漢字の成り立ちから着想を得て仕上げた作品など作風はさまざまで、現代書の魅力を伝える。
 大賞の「文部科学大臣賞」を受けたのは、宮城県の太田蓮紅さんが手がけた全紙の前衛書「風の翼」。濃淡を使い分け、「翼に乗って突き進む風を表現した」という作品。中島龍風副理事長(85)は「立体感があり、風の様子が分かる作品になっている」と評価する。
 30回記念として全国展とは別に、来場者の投票で入賞者を決める特別展も企画した。105点の応募があり、会場の一角にまとめて展示した。力強く書かれた書がずらりと並び、初日も多くの来場者が専用の箱に投票用紙を入れていた。
 中島副理事長は「一般部は7部門にわたっており、芸術の領域が幅広い書展となった。この30年で作品のレベルが高くなり、見応えもある。多くの人に見て楽しんでもらい、現代書の魅力を堪能してほしい」と話した。
 きょう30日は午前9時半〜午後3時。入場無料。(写真は県内外から寄せられた作品を見る来場者)