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いつも幼い命が犠牲に 戦場カメラマンの渡部陽一さんが箕輪町で講演

2025年11月25日


 「人権尊重のまちづくり講演会inみのわ」が22日、箕輪町文化センターホールで開かれた。戦場カメラマンでフォトジャーナリストの渡部陽一さん(53)が独特のゆっくりとした口調で紛争地域での取材体験を伝え、「戦争の犠牲者はいつも子どもたち」と悲惨な実態を訴えた。
 渡部さんは、大学時代に講義で関心を持ったアフリカを訪れ、民族衝突によるルワンダ内戦の真っただ中で、銃を持って戦う少年兵や血だらけの子どもたちに出会った。泣いて助けを求められたが何もできず、「カメラがあれば、この子どもたちの声をたくさんの人に届けられる」と思ったことが戦場カメラマンを志した切っかけという。
 アフガニスタンやイラクで撮影した写真を交えながら、戦争では病院などのライフラインがまず破壊されること、化学兵器の影響で戦後生まれの子どもたちに健康被害が出る「第二の戦争」が起きていることなどを紹介。「どの戦争でも小さな幼い命が当たり前のように奪われていく」と嘆いた。
 「苦しみ泣いている子どもたちの姿、悲しみや残虐に満ちた戦争の姿をたくさんの人に届けられなければ、それらはなかったことになってしまう」とも話し、「世界中で戦争が続いている限り、戦場の子どもたちのところへ自分の足を運び、自分の耳で声を聞き取り、子どもたちの思いに気付いてもらえるような写真を撮り続けていく」とカメラマンとしての信念を語った。
 講演会は、人権週間(12月4日〜10日)に合わせ、町教育委員会と町人権尊重のまちづくり審議会が主催。約450人が聴講した。