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大豆栽培から販売まで一貫 6次産業に挑戦 松野屋とうふ店下諏訪産商品製造に意欲 16日にイベント
2025年11月5日
下諏訪町西鷹野町の豆腐製造、販売「松野屋とうふ店」はことし、大豆の栽培から豆腐への加工、販売までを一貫して行う6次産業に挑戦した。地元の土や水で育った安心、安全な大豆の豆腐を提供し、地域の活性化につなげようと奮闘。初めての農業にして無農薬で臨み、実現の難しさを感じつつも引き続き、下諏訪産豆腐の製造に意欲を見せている。
同店は創業104年目の老舗で、3代目の松澤道範さん(52)が代表を務めている。かつて10軒ほどあったという町内の豆腐店が2軒に減る中、県内産大豆を使った豆腐で低価格な商品と競合。販路の拡大へ、昨年からイベントなどでの出張販売にも力を入れている。
町農産物即売会の朝市に出店したかったが、農業者だけに資格があると知り大豆栽培を一念発起。会員の中村隆明さん(73)=大門=を紹介され、東町中にある約300平方メートルの畑を借りた。中村さんは「6次産業への志がある人を応援したい」と協力したという。
商品に使う大豆「ナカセンナリ」を約2000粒用意し、中村さんに指導を仰いで5月から育て始めた。中村さんも大豆作りは初めてといい、社員と家族がそろって2日に1回の水やり、害虫予防のネット張り、唐辛子を使った手作り防虫剤の散布など試行錯誤を重ねて栽培。2日、収穫して干すまでに至った。
約2週間前、試しに2キロ収穫してほかの大豆と合わせた「しもすわ豆腐」を製造。10月の農業祭、3日の「ぶらりしもすわ三角八丁(ばっちょう)!」で販売した。16日(日)に大豆を取り出す作業を行い、必要量が確保できれば豆腐にしてイベントで販売する。
全てが順調に育った訳ではなく、豆腐の製造過程では捨てざるを得ない分も多い。更に連作できないことも知り、松澤社長は「中小の会社には十分な人出や資金もなく、6次産業の実現は厳しい」と消沈。下諏訪産豆腐の製造は「町内で作られた大豆を提供してもらえれば、可能性がない訳ではない。挑戦による学びは大収穫だった」と前を向いている。(写真は、大豆を収穫する松澤社長)
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