NEWS
岡谷市の「榎垣外遺跡」に焦点 「大昔調査会」などまち歩きや特別展示
2025年10月24日
一般社団法人「大昔調査会」(諏訪市)などは奈良、平安時代に諏訪地方の中心地だったとされる岡谷市長地の「榎垣外(えのきがいと)遺跡」に焦点を当てた企画を行っている。同遺跡には出土した遺物から、諏訪郡(現在の諏訪、上伊那地域)を統括する役所「郡衙(ぐんが)」があったと判明。律令(りつりょう)国家創建期には「諏訪国」(現在の中南信地区)の「国衙」があっとも推測されており、こうした歴史を解説冊子やまち歩き(既に定員に達し、募集は終了)、特別展示のほか、11月には同市で考古学専門家を招いたシンポジウムを開いて広く発信する。
同会と企画を共催する岡谷市教育委員会によると、同遺跡は市内最大で南北と東西にそれぞれ約1.3キロ広がる。1971年から300回以上の発掘調査が行われ、郡衙が現在の長地保育園一帯にあったと分かったという。更に、日本の正史が記された「続日本紀(しょくにほんぎ)」に721(養老5)年からの10年間のみ、信濃国から分国されて設置されていたと記載がある諏訪国の国衙もあったと推察されている。
特別展示は、岡谷市の岡谷美術考古館で12月28日(日)まで。普段は公開していない奈良から平安時代までの出土品約80点を並べる。土師(はじ)器や須恵器のほか、高級官人など一部の人しか保有できなかった品もあり、郡衙があった事実を伝える。
シンポジウムは11月15日(土)午後1時半から、イルフプラザカルチャーセンターで開催。県考古学会、諏訪考古学研究会の会員や市教委職員ら5人が、同遺跡の発掘調査の成果などを発表する。大昔調査会の髙見俊樹代表理事(68)は「長地にすごい遺跡があると、市民に知られていない。(企画を切っかけに)遺跡を歩こうと思う人が出てくれば」と期待。市教委の山田武文さん(69)も「諏訪の中心地だったと誇りに思ってほしい。地域活性化にもつながれば」と願う。
シンポジウムは参加無料。定員30人で、今月29日(水)から募集を始める。申し込みは市教委生涯学習課(電0266・24・8404)へ。(写真は岡谷美術考古館に設けられた特別展示コーナー)
トップ
ニュース
新聞案内
各種案内
会社情報
お問合せ

