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全国から歴史好き集う 南北朝フェスで学び深める
2025年10月20日
原村の八ケ岳自然文化園で18日、南北朝時代に焦点を当てた地域活性化歴史イベント「南北朝フェスin諏訪」(実行委員会主催、市民新聞グループなど後援)があった。全国から集まった歴史好き約60人が有識者によるトークショーや講演を楽しみつつ、研究レポートの展示を見たりワークショップに参加したりして学びを深めた。
同時代に活躍した武将ゆかりの地で2022年から開くイベント。初回は神奈川県、2回目は群馬県と福岡県に続き、昨年は諏訪地域で初となる諏訪市で開催した。今回は人気漫画「逃げ上手の若君」(逃げ若)の主人公、北条時行が鎌倉を脱出した際に一時、潜伏していたとの伝承がある雀ケ森(原村)にちなんで会場を設定した。
スワニミズムの事務局長で郷土史研究家の石埜三千穂さんと大鹿村の熊谷英俊村長、実行委の齊藤太一代表によるトークショーで幕開け。「宗良親王を語り尽くす。歌詠み征夷(せいい)大将軍を地域おこしに生かす」と題し、逃げ若の登場人物や物語にも触れ、解説もしながら、さまざまな切り口で同時代を魅力を語った。
このほか映画「鹿の国」の弘理子監督と石埜さん、一般社団法人「大昔調査会」の高見俊樹理事長による対談や、「北畠顕家とその兄弟たち〜顕信・顕能・顕雄〜」がテーマのお茶の水女子大学の大薮海准教授による講話などもあった。
会場ではアニメ制作会社監修の逃げ若のパネルや楽しむ会歴史研究部の成果レポートなどが並んだほか、南北かるたや武将印や御城印などの関連グッズも販売された。参加者は思い思いに見聞きしたり、関連商品を買い求めて楽しんだ。
齊藤代表は「全国各地の地域の歴史が消失している中、イベントを通じて歴史認識が高まり、理解がより広まれば」と期待した。
(写真は、宗良親王をテーマにトークショーを繰り広げる石埜さん、熊谷村長、齊藤代表=左から)