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全国初 NICUで生演奏 ニデック(本社・下諏訪町) オルゴール「KANATA」京都の病院に設置

2025年10月8日


 日本最大のオルゴールメーカー、ニデックインスツルメンツ(本社・下諏訪町)と「ニデックオルゴールショールーム」を運営する京都オルゴール(京都市)は、京都市内の病院の新生児集中治療室(NICU)に、次世代の自動演奏オルゴール「オルフェウスKANATA(カナタ)」を設置した。病院内でオルゴールの生演奏を流す試みは全国初という。
 設置したのは1902年創立の足立病院。同社によると同院は産婦人科病院で、無痛分娩(ぶんべん)に対応し、NICUを完備するなど妊娠から出産、産後まで総合的に女性や家族を支えてきた歴史があるという。CD音源などでオルゴールの音色を流す病院はこれまでにもあったが、生演奏は初で、NICUに入る赤ちゃんや家族に、安らぎを与え「心の緊張を緩める一助になれば」と願い、同病院の協力で設置した。
 KANATAは、フェラーリや新幹線などを手がけた世界的工業デザイナーの奥山清行さんと共に開発。従来のシリンダーやディスクに代わる新機構「スマート・ギア・オルゴール」(40弁)を採用し、SDカードに収録された150曲以上を、フルコーラスで連続演奏できる。
 幅49・4センチ、奥行き15センチ、高さ14センチの円筒形。精密な内部機構が見えるスケルトンの斬新なデザインで、成形合板技術で知られる高級木製家具メーカー、天童木工(山形県天童市)製の曲面共鳴台を採用し、生のオルゴール演奏を豊かな響きで伝える。
 同社では「KANATAはスイッチ一つで、優しく澄んだ音色を楽しんでいただける。歴史を持つ足立病院のNICUの取り組みにより、赤ちゃんやその家族に寄り添い、心を緩める一助になれば。また、このような新しいオルゴールの利用を、広げていくことができればと思う」とコメントを寄せた。
 KANATAは諏訪大社下社秋宮近くのニデックオルゴール記念館「すわのね」にも展示されている。問い合わせは同館(電0266・26・7300)へ。(写真は、すわのねに展示されているKANATA)