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辰高生と小野酒造店 酒かす活用に協力

2025年9月20日


 辰野町小野、清酒「夜明け前」蔵元の小野酒造店と辰野高校普通科地域探究コース2年生31人が連携し、同社の酒造りで出る酒かすを活用した商品開発に乗り出した。生徒のアイデアを基に商品化し、来年5月に酒蔵を一般開放して開催する「蔵開きイベント」で販売するのがゴール。19日は、商品開発に向けた第一歩として生徒が自由にアイデアを言い合うワークショップが同校であった。
 酒かすは、蒸した米と米こうじ、水を混ぜて発酵させてできる「もろみ」から日本酒を搾った後に残る固形物。栄養分が豊富で肥満の抑制や代謝の改善、美容などの効果があるとされる。ただ同社の酒かすは家畜の飼料や農地の肥料として消費することが多いのが現状といい、ほかにも活用したいと商品開発に着手。昨年の創業160周年記念イベントで同校生徒の協力を得ており、今回もアイデア出しに力を借りることにした。
 この日は、同社社員2人が同校を訪れ、酒造りや酒かすについて説明。生徒たちは理解を深めた上で、グループに分かれてワークショップに取り組み、2グループには社員も交ざった。クッキー、ポップコーン、アイスなどの食べ物の材料に使うという意見が目立ち、美容液、乳液、パックといった美容品に活用できないか—との声も聞かれた。
 今後は、酒かすを使った料理の調理実習などをしながらアイデアを絞り込み、商品製造を担う事業者を探す計画。生徒は「酒かすの良さを知ってもらえるような商品にしたい」と意気込んだ。同社の担当者は「自分たちでは考えつかないアイデアが出ていた。どんな商品ができるのか楽しみ」と期待した。
(写真は、酒かすを活用した賞品開発に向け、小野酒造店社員と一緒にワークショップに取り組む生徒)