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多彩な自然 観光振興に 中央日本四県サミットで共同宣言
2025年9月12日
長野、新潟、山梨、静岡の「中央日本四県」によるサミットが11日、諏訪地域で開かれ、「アウトドアを生かした観光推進」など二つの共同宣言を採択した。4県の多彩な自然、文化を生かし、世界に誇るユニバーサルツーリズムやアウトドア観光などを進め、「オーバーツーリズム」をはじめとする共通課題の解決にも共に取り組んでいくことを確認した。
「アウトドア—」の共同宣言は、阿部守一長野県知事の発案という。コロナ禍を乗り越え、インバウンド(訪日旅行)需要や国内の動きが一層高まることから観光振興に着目。アウトドアコンテンツの充実と発信、障害や年齢などにかかわらず誰もが安心して地域の魅力を楽しめる観光地づくりを進めるとともに、資源を保全して次世代につなげる。このほか、「大規模災害時における外国人観光客等の超広域避難に関する今後の取り組み」の共同宣言も採択した。
この日、共同宣言に先立っては阿部長野県知事と花角英世新潟県知事、長崎幸太郎山梨県知事、鈴木康友静岡県知事が長野県内第1号として河川空間のオープン化に指定された諏訪湖畔の一部区間にある複合施設「レイクフッドオカヤ」(岡谷市湊)を視察。同県の担当者からオープン化や、完成した諏訪湖サイクリングロードの取り組み、諏訪湖の水質などについて説明を受けた。
原田泰治美術館(諏訪市渋崎)を経て同市のホテルに移動し、「知事会議」を開催。各県や4県連携の取り組み状況の報告のほか、「アウトドアを生かした観光推進」をテーマに懇談した。
終了後は共同で記者会見に臨み、迎えた側の阿部長野県知事は今後について「(懇談や視察の中で)出てきた各県の取り組みや、アイデアをまずは事務的に擦り合わせ、今回の議論も踏まえながら各県と調整して具体的な取り組みにつなげたい」と述べた。
サミットは、日本の中央に位置する4県が直面する課題などについて意見交換し、一層の連携につなげようと、阿部長野県知事の呼びかけで2014年に初回を長野市で実施。以降、各県を輪番で行い、今回は昨年が台風で中止となったため2年ぶり、通算で9回目の開催となった。(写真は共同宣言を採択した中央日本四県サミット)