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廃棄から活用へ太鼓の革で新たな産品 御諏訪太鼓×クリーマ

2025年9月9日


 諏訪大社の太々神楽(だいだいかぐら)として受け継がれる「御諏訪太鼓」(岡谷市)と、ハンドメード作品のECサイト「Creema(クリーマ)」を運営するクリーマ(東京都)が、大鼓の革を使ったアップサイクル(価値を上げる再利用)プロジェクトを立ち上げた。太鼓製造で生じる端材や、張り替え後の古い革を使った作品アイデアをサイトに登録する作り手から募り、「大鼓のまち」をうたう岡谷に新たな産品を生み出す。
 大鼓製造の諏訪響太鼓店(同市)によると、演奏で使ううちに削れて薄くなり、破れるなどして使えなくなった革や端材は、これまで大半を廃棄していた。有効な使い道を探り、同社が岡谷商工会議所に相談。過去のイベントで関係したクリーマに話を持ち込んだところ、プロジェクトが立ち上がった。
 御諏訪太鼓伝承者で、同社役員の山本麻琴さん(44)は「太鼓のまち岡谷に、太鼓の革を使った産品が生まれれば、ほかの地域と差別化を図れる」と期待。8月に同市に設立されたまちづくり会社「OPEN OKAYA」が同社の事業として、出来上がった作品を仕入れ、販売するまでの流通を担う将来も描く。
 アイデアは11日(木)まで募り、今月中旬に選考結果を作り手に連絡。10月上旬には作り手の元に革素材を送り、制作に着手してもらう。完成後、12月下旬には販売ページを公開する予定。作品は同じ物を2点作ってもらい、1点は商議所が展示やPRに使用。もう1点はクリーマの企画特集で紹介し、作り手が通常の作品同様に販売できる。
 来年1月に東京で開く作り手の祭典「HandMade In Japan Fes’冬(2026)」でも展示する。
 応募無料。応募はクリーマのプロジェクトページから。問い合わせはクリーマ(メールalliance@creema.co.jp)へ。(写真は太鼓の製造や張り替えで生じた革を手にする山本さん)