NEWS

壁面コラージュ全貌現す ララオカヤが市民参加で印象一変

2025年9月8日


 19日(金)から21日(日)まで初開催される「諏訪ノ湖(すわのうみ)芸術祭」(実行委員会主催、岡谷市共催)の一環で、屋外空間にコラージュ作品を生み出す参加型企画「オ・ラ・ヤ・カ・ラ」は7日、住民を交えた制作活動が最終日を迎えた。「キャンバス」となったJR岡谷駅前の再開発ビル「ララオカヤ」の壁面には、一人一人がアーティストとなって仕上げた個別の作品で構成される一つの大作が浮かび上がり、周辺の印象を一変させた。13日(土)から展示期間に入る。
 取り壊される駅前の象徴ともいえる建物へのはなむけの意味も込め、創造的な活動から新たな交流の切っかけをつくろうと計画。8月30日を皮切りに、この日までの4日間でスタッフや一般の延べ100人余りが携わった。
 市道に面する建物南側1階壁面(60メートル×3メートル)と地面のマンホールや扉、ダクト、鉄柱、コンセントなどの造作物に色を付ける趣旨。全体のバランスも考えて色は実行委で指定するが、濃淡や塗り方などには制約を設けず自由に表現してもらう。当初、対象の造作物は個程度を想定していたが多くの協力が得られたため急きょ、100個ほどに増やした。
 最終日は市民に交じり、早出一真市長も参加。互いにララでの思い出を語らうなど、交流しながら手を動かした。早出市長は「再びこの場所に市民が集まり、記念になるイベントをやっていただけたことがありがたい」と感謝し、「皆さんの思い出として心に残り、こうした経験がまちづくりに興味を持っていただく切っかけにもなれば」とした。
 作品は最後に、芸術祭に出演するアーティストにも筆を入れてもらい、完成になるという。アートディレクターの草間茂樹さん(54)は「一つ一つが市民の作品であり、それが合わさって一つの大きな作品になるのがユニークなところ。ぜひ多くの方に、鑑賞に来ていただければ」と期待していた。
(写真は、全貌を現したコラージュ作品の一部。制作最終日も市民が訪れて作業を進めた)