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移住体験住宅を整備 築約100年の「古民家庵天竜」 岡谷駅近くに

2025年8月27日


 岡谷市天竜町に、新たな移住体験住宅「古民家庵(いおり)天竜」が整備された。築100年ほどの住宅を改装した物件で、市に登録されるのは2軒目。商店や文化施設がある市街地や諏訪湖、駅が近く、市は魅力として打ち出す「コンパクトシティー」での暮らしが実感できるとする。
 木造2階建ての延べ217平方メートル余り。1階部分のみ貸し出し、LDKと畳の和室3室、洋室1室を備える。天竜川に並走する市道沿いに立地し、JR岡谷駅からは徒歩約5分。天井や柱、廊下の床板などはそのまま生かし、キッチンや風呂、トイレなどの設備は更新した。利用は基本、1カ月間。
 6月から7月にかけては、初の利用者として台湾の作家、王有慈(オウ・ユウ・チー)さんが入居。今月にも、利用があるという。
 岡谷中部建設(本町)が所有し、管理運営も担う。市は市内への移住・就職に興味があり、登録住宅を拠点に住居や職探しなどをする人への補助金制度を用意。39歳以下の独身者か夫婦を対象に、月10万円(水道光熱費込み、敷金・礼金不要)の利用料金の半額を助成する。
 初の移住体験住宅は、2020年度に登録した「ヴィラ塩嶺」(内山)。鳥居平やまびこ公園などに近く、豊かな自然の中での田舎暮らしが体験できるのが魅力という。市によると、昨年度まで約5年間の利用実績は計19組。22年度以降は毎年度、想定する利用数いっぱいという5組が入居した。
 一方で、郊外に立地するため車がないと拠点として活動するのが難しいという課題もあった。街中の体験住宅ができたことで、市地域創生推進課は「選択肢もでき、より実際の岡谷での暮らしをイメージしやすくなった」とする。
 (写真は、新たに整備された移住体験住宅)