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きょうまで下諏訪町で「諏訪芸術祭」 「江戸と現代の前衛芸術」テーマに

2025年8月24日


 現代アートの展示やパフォーマンスなどを内容とした「諏訪芸術祭」(実行委員会主催、市民新聞グループなど後援)が23日、下諏訪町五官にある高島藩の鷹匠(たかじょう)屋敷跡の旧岡村邸で、2日間の日程で始まった。「見えないものの力」をテーマに昨年町内で始まった企画の第3弾として行い、来年度の本格開催を目指すためのプレイベントの位置付け。初日から次々に見学者が訪れた。
 現代芸術家の石川雷太さん(茨城県結城市)や羅入(らじゅ)さん、仏教学者堀内伸二さん(高木)らが実行委員会の中心メンバー。今回のテーマは「江戸と現代のアバンギャルド(前衛芸術)」で、展示したのは猫の視点から人間社会を表現した「猫マンダラ」や、江戸時代に廃村になった富士見町稗之底村跡を撮影した写真、江戸時代の禅僧白隠の複製書画など約点。同町出身の芸術家松澤宥さん(1922〜2006年)の活動を伝える映像作品上映もあったほか、初日は密教系芸術集団によるアートパフォーマンスなども行われた。
 屋外に展示された羅入さんの作品「Gate of Dawn(ゲート・オブ・ドーン)」は、長さ50メートル、幅1・6メートルの和紙の作品。僧侶でもある羅入さんが日の出と同時に瞑想(めいそう)しながら体を動かした痕跡を墨で映し取った。訪れた人たちは作品の迫力に圧倒されながら見入った。
 きょう24日は午前10時〜午後7時。作品展示のほか、詩の朗読と演奏、解説付きのアートツアー、堀内さんの講義「白隠禅師の書画が語る世界」などがある。実行委代表の石川さんは「普段は見過ごしてしまっている大切なものを、アートを通じて感じる場にしてほしい」と話している。
 入場料1000円。高校生以下と障害者手帳を持参した人は無料。イベントの詳細は、インターネットで同祭の公式サイトで提供中。(写真は、来場者に野外展示作を説明する羅入さん=左。後方はは会場の旧岡村邸)