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新たな温浴施設が誕生 下諏訪町湯田町にサンドバス「つむぎ」
2025年8月19日
下諏訪町湯田町に、サンドバス(砂風呂)を体験することができる「信濃國下諏訪宿 和みの湯屋つむぎ」が開業した。県内初という九州高千穂産の鉱石「天香石」、下諏訪財産区が管理する旦過源湯の高温湯を組み合わせたサンドバスをメインに「健康と癒やしのサービス」を提供。かつて旅館だった建物を生かした、新たな温浴施設が下諏訪に誕生した。
運営するアルプスクリエーション合同会社の代表、伊藤英明さん(54)はいわゆる「脱サラ」で、愛知県から妻の郷里である駒ケ根市に移住。会社員時代に出合ったサンドバスの魅力を温泉資源と自然が豊かな県内で広めたいと考えていた。旦過源湯を使った高温湯「旦過の湯」を知り、実際に入ってサンドバスに適していることを実感。町役場と下諏訪商工会議所の仲介もあり、すぐ横の旧旅館を借りて開業に至った。
伊藤さんによるとかつての「鉄鉱泉旅館」は、諏訪地方発祥の宮彫りの流派「立川流」の貴重な建具が残るなど歴史ある建物。リノベーションを施す際も「古さを生かしながらも新しいものを入れ込んで調和させたい」との思いを込めた。
独自の温浴コンテンツであるサンドバスは、天香石を砕いて焼き付けたセラミックボールを旦過の63度の源泉で温めた、専用の浴槽で体験する。体の芯からぽかぽかになるといい、入浴後は全身から汗が噴き出し「体が軽くなったような壮快感が魅力」という。
このほか、プライベート空間でゆっくりと温泉を楽しめる貸し切り露天風呂もある。入浴後は2階の休憩スペースや、併設の茶寮で休むことができ、貴重な建具や、鉄鉱泉旅館時代の趣を残した個室で休むことができるプランも用意する。
伊藤さんは「将来的には宿泊ができるようにして、ゆっくりとサンドバスを楽しんでもらいたい」とし、「かつて栄えた下諏訪宿に、新しい湯治文化で光を当て、地域全体でにぎわいを取り戻したい」と語る。
営業時間は午前10時〜午後7時。サンドバスは1回5000円。貸し切り露天風呂は最大3人まで。料金は45分で2000円。いずれも事前予約制で、ウェブか電話で受け付ける。茶寮のみの利用も可。
問い合わせは同施設(電0266・78・3171)へ。(写真は、県内でも初というつむぎのサンドバス)