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戦下の手紙基に創作劇 伊那LC演劇部が入野谷舞台に
2025年7月31日
伊那ライオンズクラブ(LC)演劇部は30日、戦後80年に合わせて作ったオリジナル劇「入野谷郵便」を伊那市高遠町の高遠閣で上演した。市高遠町公民館の子ども向け企画「進徳館夏の学校」の一環。地元の小学生ら約70人が鑑賞した。
舞台は1944、45年の入野谷地区(現在の同市高遠町と長谷の一部)。国策で収量の多いソバへと栽培が切り替わる中、ソバ農家が在来品種を守ろうと奮闘する粗筋。主人公が召集令状を受け取った場面では「何がお国のためだ。こんな戦争は負け戦だ」と情感たっぷりに伝えた。
出征した主人公らの手紙を読み上げる場面もあった。郵便配達人の「一度出撃すれば、もう戻ることはかなわない特攻隊です」「この作戦は犬死にだ。犬死にだ」「あのそばをまた食べたいです。八重ちゃん(主人公の妹)に会いたいです。でも、明日行きます」との手紙も朗読された。
子どもたちは真剣な表情で見入っていた。高遠小学校6年の児童(11)は「ソバを守ろうとする人の姿に感動した。戦争でみんなつらい思いをしたと分かり、こんなことは二度と起きてほしくないと思った」と話した。
劇は故・伊東知朗さんが家族に宛てた手紙を基に、ストーリーを構築。近年約70年ぶりに復活したソバ「入野谷在来」の栽培が戦時中に途絶えた事実に着目し、手紙とソバを主題に据えた。手紙はほぼ原文のまま扱ったという。
1月に台本が完成し、4月ごろから練習を重ねてきた。演劇部長の田畑和輝さん(57)は「小さい子も自分なりに感じながら見てくれたと思う。何気ない日常に幸せがあっることを分かってくれれば」としていた。
(写真は、召集令状を受け取る主人公=中央右側)