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子どもたちに望遠鏡 諏訪天文同好会と八ケ岳総合博物館

2025年7月30日


 天文観測愛好家でつくる諏訪天文同好会と八ケ岳総合博物館(茅野市)は、宇宙や天文に親しむ切っかけをつくる「星空に夢をプロジェクト」で、希望した小学4年〜高校2年の10人に天体望遠鏡を無償提供した。同好会の茅野勝彦会長(78)=岡谷市=は「これを切っかけに天文、宇宙に興味を広げ、ゆくゆくは同好会に入ってくれたら」と期待を込めた。
 プロジェクトは2022年、同好会の発足100周年を記念して立ち上げた。1992年に小中学生有志8人が集まり、同会が発足した当時と同じように「現代の子どもにも、天文学の門を開く一歩を踏み出してほしい」との思いで、同好会メンバーでパソコンと望遠鏡の販売、修理を行う「コスモス」(諏訪市)の小平昭彦さん(73)が発案。各地から寄せられた望遠鏡を使える状態にして、子どもたちに贈った。終了後も「寄贈したい」などの声が絶えず、反響もあったため3年ぶりに計画した。
 26日に同館で贈呈式を行い、希望した児童生徒10人のうち9人が出席。児童生徒は同好会や同館のボランティア団体「市民研究員天文グループ」のメンバーから屈折式や反射式などの望遠鏡の種類をはじめ、特徴や組み立て方法、利点、構造などの説明を受け、自分にふさわしい1台を吟味。持ち上げたり、質問したりして、使うイメージを膨らませて最適な望遠鏡を選んだ。
 贈呈式後は同好会と、同グループの会員が、望遠鏡をばらしてから組み立てる方法を指導した。月より遠くの星や、星空への探究を深めたいと応募した生徒は「こんなに良い望遠鏡を頂けてありがたいし、うれしい。しっかり使い方をマスターして、土星の輪や月のクレーターを観察したい」と笑顔を見せた。小平さんは「望遠鏡は星空を楽しむための一つの道具。扱い方を覚えて生涯の趣味に」と期待した。
 児童生徒は来年2月まで全4回の講習会を受け、扱い方を習得する予定。(プロジェクト立案者の小平さん=左=から組み立て方を教わる中学生)