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「高円宮家根付展」開幕 ガラスの里で技巧さまざまに工芸美紹介

2025年7月14日


 諏訪市豊田のSUWAガラスの里美術館で12日、現代根付のコレクションを紹介する特別企画展「高円宮家根付展」が開幕した。オープニングセレモニーには、高円宮妃久子さまが出席し、「根付は世界に羽ばたく日本生まれの美術工芸品。ぜひこの機会に楽しんでほしい」と述べられた。
 根付は印籠などを帯から下げて携帯する際、提げ物のひもに付ける留め具。展示では、故・高円宮憲仁親王と久子さまが収集した約200点を紹介。久子さまが公務の合間、その土地の風景と合わせて撮影した写真パネル約20点を飾った。
 久子さまは「根付は江戸時代から作り続けられているが、海外では美術品として収集されてきた。1970年代頃、アメリカのコレクターたちから、今の時代を反映する根付を作ってはどうかと提案があり、若い作家の間で機運が高まって、現代根付という新たな分野ができた」と解説した。
 展示される根付は、戦後から現在まで作られた作品。会場に合わせて久子さまが選んだガラス製の根付など、さまざまな素材と繊細な技巧を楽しむことができる。
 会期は8月31日(日)まで。入館料は大人千円、中学生以下無料。問い合わせは同館(電0266・57・2000)へ。
 展示に合わせて「記念アワード」の授賞式がホテル紅やで開かれた。県内外の作家22人から37点の根付が出品され、最高賞の高円宮賞には、東京芸術大学大学院のはらだひまわりさん(23)=東京都=の作品「貝乃実(かいのみ)」が選ばれた。
 はらださんは海の中の記憶をとどめる貝をイメージし、さまざまな技法を組み合わせたガラス製の根付を制作。「自分の中にあるものを形にした。初めての挑戦で賞を頂けて光栄。これからもアーティストとして頑張っていきたい」と喜んだ。
(写真は、展示をご覧になる久子さま㊥)