NEWS

魂こもる作品ずらり 13日まで「第100回記念伊那美術展」

2025年7月8日


 伊那美術協会は13日(日)まで、展覧会「第100回記念伊那美術展」(市民新聞グループなど後援)を伊那市の県伊那文化会館で開いている。創立100周年に合わせた記念事業として例年より規模を拡大し、昨年より100点以上多い234点を展示。増澤英徳会長(76)=辰野町=は「魂のこもった迫力ある作品が非常に多い。十分に楽しんでもらえると思う」としている。
 日本画、洋画、彫刻、工芸の4部門からなり、例年より大きい作品や公募展への出品作も展示し、100周年にふさわしい内容とした。最も多い179点が出品された洋画は、山や木々を描いた風景画、子どもや裸婦を題材にした人物画、色鮮やかな抽象画といったさまざまな画題の作品が並ぶ。
 100回記念で設けられた会員大賞は、加納義晴さん(伊那市)の木彫工芸作品「悠久の彼方(かなた)」が受賞。縦1.8メートル、幅1メートルほどの大作で、ダイナミックな構図と細やかな表現が評価された。一般大賞には丸山俊太郎さん(南箕輪村)の日本画「木枯らし」、高校生対象のジュニア大賞にはサンタナケイコさん(高遠高校)の洋画「自我に空腹」が選ばれた。
 同協会の会員数は、ピーク時の約30年前には200人近かったが、118人へと減少。高齢化も進んでおり、次世代の人材育成を図ろうと高校生に積極的な出展を呼びかけ、上伊那地域8校の美術部員などから92点の応募があった。増澤会長は「10〜30年後には生徒たちが協会の主体になる。今回の体験を通して、協会に入ってみたいと思ってくれれば」と期待を込める。
 同協会は、前身となる「黒百合(ゆり)会」(1924年設立)と「ソリッカ協会」(31年設立)が合流し、33年に改称。増澤会長は「更なる100年を目指して、上伊那の皆さんと協会をもり立てていきたい」と話していた。
 午前9時半〜午後5時(最終日は3時)。入場無料。
(写真は、会員らの力作が並ぶ伊那美術展)