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残り半年間の多幸や豊作祈願 諏訪大社下社御作田社祭と茅(ち)の輪くぐり

2025年7月1日


 1年の半分が過ぎた30日、諏訪大社下社の御作田社祭と田遊神事、浮島社祭と大祓(おおはらえ)式=夏越(なご)しの大祓=が、旧中山道沿いのある御作田社、春宮横の浮島社で執り行われた。浮島では「茅(ち)の輪くぐり」があり、参列者や地域住民が残り半年間の多幸や健康などを祈願しながら、直径約2メートルのカヤの輪をくぐった。
 御作田社祭では、村上益弘宮司による祝詞奏上などに続き、木製の鋤(すき)や鍬(くわ)などを手にした神職が、独特の所作で厳かに「田作りの儀」を行い、田植え歌に合わせて2人の巫女(みこ)が優雅に「田舞」を奉納。ことしの耕作長、第一区大総代の中村茂夫さん(72)=大門=が、30センチほどに成長した苗を広さ約6平方メートルの斎田に手植えした。
 浮島に場所を移して執り行われた大祓式では、参列者が神職から渡された形代(かたしろ=人形)で体を清めてから息を3回吹き込み、上半期の罪やけがれを落とした。続いて神職を先頭に参列者が「8」の字を描くように「はらえたまい、清めたまへ」と唱えながら、列になって茅の輪をくぐった。
 御作田社の斎田は、地域で最も遅く苗を植えるが、1カ月後には穂を実らせるという言い伝えがあり、「御作田の早稲(わせ)」として、下社七不思議に数えられている。雨のため昨年まで2年連続で、春宮神楽殿に場所を移して神事が行われ、同社で開くのは2022年以来3年ぶり。中村さんは「米不足がいわれているので、農作を祈りながら植えた」と話していた。(写真は、豊作を祈りながら稲を植える中村大総代)