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箕輪進修高「百年史」が完成 同校初の沿革誌 13年の編集で

2025年6月21日


 箕輪進修高校の百周年記念誌編纂(さん)委員会が、2012(平成24)年から作業を進めてきた「百年史」が完成した。13年余の歳月をかけ、1世紀にわたる学校変遷の歴史をまとめた同校初の沿革誌。創生期の先人たちの思いから、現在までの学校の移り変わりを写真とともに掲載し、ずっしりとした質量で100年の歴史を伝えている。
 編纂委は同窓会内に設けられ、13年の学校創立90周年の刊行を目指して沿革誌の作成に着手。同窓生や旧教職員ら10人の委員が、資料の収集や原稿の打ち込み作業を始めた。しかし、同校の史誌は1959(昭和34)年の35周年に数ページの冊子が同窓生名簿の初版として刊行されたのみで、作業は難航を極めた。
 90周年時の刊行には間に合わず、23年の創立100周年記念事業の様子も盛り込んだ沿革誌に変更し、編纂委を再編成。病気などで退任の委員を除く8人が、分担を決めて同窓会館で週1回の作業を行うとともに、自宅でも編集を進めてきた。資料不足などにより24年春の完成予定がずれ込んだが、苦労して刊行にこぎ着けた。
 B5判、637ページ。箕輪町、南箕輪村、伊那市西箕輪など箕輪郷全体をまとめた第1章の「郷土編」から、中箕輪女子実業補習学校など「前身諸学校の歩み」、戦後の学制改革で誕生した「組合立長野県中箕輪高等学校」など13章で構成。口絵には、学校行事の写真や歴代校長の顔写真などを掲載し、資料として生徒会誌「縄文陵」の表紙やPTA役員名簿、愛唱歌なども載せている。
 第6章では、箕輪高から箕輪工業高への転換に向けて、箕輪高協力組合長だった当時の碓田重人町長らが県に提出した陳情書などを掲載し、強力な活動を推し進めた様子を紹介。第7章では、南信地区唯一の多部制・単位制の学校となった箕輪進修高の新校名板お披露目式や1期生入学式などの出来事を載せ、新たな歴史を刻み始めた姿を伝えている。
 進修高への転換に伴い、学校に残る箕輪工業高時代の材料が乏しく、箕輪町図書館や県総合教育センターなどで資料を収集し、本紙の記事や写真も多く採用した。同校機械科1期生で、母校の教壇にも立った編纂委員長の向山一信さんは「スタート時は全く資料がなく、刊行できるか不安だった」と振り返り、「委員の皆さんのおかげで、何とか立派に出来上がった」と話している。
 300部作成し、1部1万1000円。同窓生には、ことし3月の同窓会報を通じて注文を受け付け、現在のところ50冊ほどの申し込みがある。一般の購入希望者は、同窓会事務局の同校(電0265・79・2140)へ連絡する。
(写真は、「百年史」の完成を喜ぶ編纂委のメンバー)