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「戦争展」記録一冊に凝縮 体験者の講演や展示概要掲載

2025年6月14日


 伊那市で昨年9月28、29日に第35回「平和のための信州・戦争展in上伊那」を開いた実行委員会(宮下与兵衛実行委員長)は、戦争展の記録集「80年目の証言」を作った。戦争体験者による講演や会場で行った展示の概要などを掲載。上伊那地域の書店で販売している。
 戦争展は県伊那文化会館で開催。ノーベル平和賞を受けた核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲国際運営委員や、戦時中に旧満州(中国東北部)で細菌戦研究や人体実験をしていた「731部隊」の元少年隊員・清水英男さんらが講演した。
 記録集はB5判の全面カラー印刷で、全160ページ。戦争展をほぼ網羅する内容で、講演の記録やパネル展の内容のほか、軍服や千人針といった展示品の写真などを収めた。川崎国際運営委員の「軍事力以外の道で戦争を防ぐ、平和の準備をするということを考えるべき」とするメッセージや、昨年中国の施設跡を訪れた清水さんの「本当に迷惑をかけて申し訳なかったという気持ちで慰霊した」という言葉も載る。
 実行委は上伊那8市町村で平和活動に取り組む団体などでつくる。戦争の記録や体験者の声を記録に残そうと、戦後80年の節目に合わせて製作した。実行委の戸田義美事務局長は「戦争体験者の証言をしっかりと受け止めてほしい」としている。
 税込み880円。希望者には1000円(送料込み)で送る。問い合わせは戸田さんの電話(090・1867・3974)またはメール(tyoshimi0629@gmail.com)へ。(写真は戦争展についてまとめた記録集)