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岡谷太鼓まつり象徴の平胴太鼓 革面の劣化で修繕へ
2025年5月20日
岡谷市、岡谷商工会議所などは本年度、2000年のミレニアムを記念して製作された直径2000ミリの平胴太鼓「飛龍2000」の修繕に着手する。ことしの市民祭「岡谷太鼓まつり」終了後、まずは片面の革を張り替えて長寿命化を図り、引き続き祭りの象徴として地域愛の醸成や、伝統文化の承継・発信による地域活性化につなげていく。
飛龍は市民の寄付で製作され、毎夏の祭りでは間口60メートルの「メーンステージ」の中央、最上段に鎮座。雨に降られたり、打ち手が渾身(こんしん)の力で打ったりを繰り返すうち、革面の劣化が進んでいた。こうした状況の中、祭りを主管する実行委員会のうち企画委で部会長を務めるJR岡谷駅長の紹介で、東日本鉄道文化財団(東京都)の助成事業に申請し、承認された。
実施に当たっては、まつり実行委、岡谷太鼓保存会と共に修繕事業実行委を発足。19日には市役所で設立総会を開き、委員長に企画委の委員長でもある笠原新太郎さんを選任、スケジュールや予算を決めた。続けて財団から、笠原委員長に助成事業の承認書が手渡された。
事業に関わる予算は、509万円余り。財団の助成、まつり実行委や太鼓保存会の負担金で賄う。修繕作業は、製作も請け負った諏訪響太鼓店(神明町)が担い、太鼓に適しているとされる雌牛の革や作業場所の確保を経て9月から張り替えに入り、来年1月ころ終了見込みという。
修繕事業実行委は、祭りの雰囲気盛り上げへ現在は市役所1階ロビーに設置されている飛龍を見学。藤森聡副委員長から、実物を見ながら説明を受けた。
事務局によると、飛龍は全国的に見ても大型のため、それだけ大きな革や専門技術も必要になる。笠原委員長は「飛龍は『太鼓のまち』を標榜(ひょうぼう)する岡谷にとっては市民の誇りでもある」とし、「早期にもう半面も修繕して未来永劫(えいごう)つなげていけるよう知恵を絞っていきたい」と話していた。
(写真は、現在、「飛龍2000」は市役所1階に展示されており、総会終了後は委員が見学=19日)