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大祭の主役に初対面 諏訪大社下社東俣国有林で仮見立て

2025年5月13日


 2028(令和10)年の諏訪大社御柱祭へ12日、下社御用材の仮見立てが下諏訪町の東俣国有林であった。神職や大総代、岡谷市、下諏訪町、諏訪市上諏訪地区の氏子ら約420人が入山。春宮、秋宮に曳き建てる計8本のモミの巨木の候補が決まるたび山中には喜びの木やりが響きわたり、3年後の大祭に向けた前奏曲がこだました。
 仮見立ては、一連の行事の始まりとなる神事で、下社は慣例で上社よりも1年早いおんばしら年の3年前に行う。
 秋宮を出発した一行は、斧立社を参拝し、県道八島高原線から観音沢林道のゲートを約2キロ入った先で出発式。村上益弘宮司は「仮見立てを皮切りに、準備が始まる。山の神様にお守りいただき安全に行動して」と呼びかけた。
 旧慣により、春宮一の候補木から検分。未明の雨でぬかるんだ場所も多く、参加者は村上宮司を先頭に気持ちをはやらせつつも、慎重に足を進めた。
 最初に姿を現した春宮一は、目通り周囲(目の高さの幹回りの大きさ)が3.05メートル、樹高は約23メートル。村上宮司が「この候補木を御柱とお見立てしてよろしいでしょうか」と諮ると、氏子は「異議なし」「よし」と声をそろえた。「春宮一之御柱」と墨書した木札を取り付け、繰り返し鳴く木やりに「よいさ」と声を合わせた。
 無事に8本の仮見立てを終え、諏訪大社大総代会議長で、御柱祭下社三地区連絡会議の増澤哲会長(69)=下諏訪町東山田=は「ここまで(モミを)育ててくれた山の神様に感謝し、それに報いるためにもいいお祭りにしなくては。安全第一に、大きな事故なく完結できるよう準備したい」と話した。
 正式に御用材と決める下社の本見立ては26(令和8)年、伐採は翌27(同9)年にそれぞれ予定している。
(写真は、春宮一の候補木にして良いか氏子に諮る村上宮司=右から2人目=)