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諏訪大手見番芸妓の美代遥さん 大学生活との二刀流で夢かなえ1年

2025年5月3日


 諏訪大手見番に所属する芸妓(げいぎ)の美代遥(本名・前橋亜季)さん(21)=諏訪市中洲出身=。昨年3月のデビュー以来、大学生活との二刀流で愛する故郷を盛り上げてきた。夢をかなえて1年余り、「踊りも話をするのも好きですし、自分の天職だと思っています。お客さまとの地元トークで、諏訪の好きなところを共有できるのが一番楽しい」と笑顔を見せる。
 上諏訪温泉には、最盛期で数百人の芸妓が活動していたという。美代遥さんは中学生の頃、テレビで時代劇を見たことを切っかけに華やかな着物姿への憧れを抱いた。高校時代はチアリーディング部に所属しながら三味線の出稽古を受け、中央大学文学部に進んだ後も日本舞踊の練習を続けた。
 デビューを機に、東京と諏訪を往復する生活が始まった。午前中の講義を受けて帰郷し、身支度を調えてから夕方の宴席で踊りを披露。翌朝の特急あずさで大学に向かうというハードなスケジュールを送っている。
 4月下旬、懐石みくら(中洲神宮寺)で季節の料理とお座敷遊びを楽しむイベントが開かれた。美代遥さんは淡い藤色の着物で登場。三味線演奏家の大友美由奈さんの音色に合わせて「春雨」「奴さん」の踊りで客をもてなした。
 お座敷遊びとして「金比羅船々(こんぴらふねふね)」と「とらとら」を紹介。勝負に敗れると、唐辛子やワサビの入った菓子を食べる罰ゲームもあり、伝統的な大人の遊びで宴席に華を添えた。
 「面白かった、楽しかったと思っていただけたら」と美代遥さん。「お客さまが困ることのないように、お飲み物にも目を配り、お座敷がどんなに楽しいものか知っていただけるようにと努めました」。
 大学卒業後は芸妓の道一本で活動するという。「諏訪の皆さんは応援してくださる方々ばかりなので、感謝の気持ちでいっぱいです」と挑戦を続けていく。
(写真は、宴席を盛り上げる美代遥さん)