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糸都の伝統肌で感じ 催し多彩に「シルクフェア」

2025年4月30日


 製糸業で栄えた「シルク岡谷」を発信する「シルクフェアinおかや」が29日、岡谷市内12会場で開かれた。糸取りや機織り、繭を使った工作などの体験のほか、街歩きやスタンプラリー、シルク関連施設の公開など多彩な企画を用意。日本の近代化を支えた中心地に息づく歴史や文化、現在も続く取り組みを肌で感じてもらった。
 主会場の岡谷蚕糸博物館でのオープニングセレモニーでは、市やシルク関係団体などでつくる実行委員会の味澤宏重委員長があいさつ。「会場は少しずつ増え、内容も年々充実している。岡谷の歴史やシルク製品を知って好きになってもらいたい」と期待した。
 今回から会場に加わった就労継続支援B型事業所「グラン・ジュテあい工房」(中央町)では、利用者が作業として取り組む機織りを来場者が体験。職員に機織り機の使い方を教わりながら、絹と綿の縦糸に好きな色の毛糸やナイロン糸などを通し、敷物を作った。
 親子3人で参加した小学校5年の女児(10)は「(機織りは)初めてやったけれど、いろいろな色があって面白い」と笑顔。父親(39)は「いい体験。もし岡谷の歴史に興味を持ったら勉強してほしい」と話した。
 フェアは「シルクの日」とする毎年4月29日に開き、29回目。この日は、桑の苗木の無償配布や珍しい品種の蚕の展示、シルク製品の展示販売、製糸業から発展したみそにまつわる講演会、市内の近代化産業遺産を中心に巡るバスツアーなどもあった。
 (写真は、機織りを体験する来場者=グラン・ジュテあい工房で)