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下諏訪町のオリジナル唐辛子缶作製 栽培者に贈呈へ
2025年4月14日
下諏訪町農業技術者連絡協議会(農技連)は、唐辛子を栽培する農家の意欲向上や新規就農者の獲得を目指し、オリジナルの七味唐辛子缶を作った。契約する七味唐辛子製造などの「八幡屋礒五郎」(長野市)が販売する七味缶のふたに、町の特徴を生かしたオリジナルデザインを印刷。16日(水)、昨年とことしの唐辛子栽培者にプレゼントする。
農技連では昨年、鹿などによる農作物の食害対策や高齢化に伴う軽量な農作物の栽培を試そうと、同社と契約して唐辛子を試験栽培した。町内農家と岡谷市内の農家などを含む17件が約4000株を栽培し、247.4キロを収穫。新芽に若干の食害があったが、実は食べられず一定の効果が見られ、ことしは栽培者をJA信州諏訪の組合員にも拡大する。
同社からオリジナルデザインの七味缶が作れる提案を受け、栽培農家に自分たちの唐辛子が商品化されることを実感してもらおうと作製を決めた。絵柄は、町地域おこし協力隊でデザイナーの藤原祐太さんに依頼。ことし、町内で栽培する12農家と関係団体の分を含めて60個用意した。
藤原さんによると、デザインは昨年、しごと創生拠点施設「ホシスメバ」で唐辛子を干したことや、葛飾北斎の下諏訪方面から諏訪湖を眺めた絵から着想を得た。星が丘に唐辛子畑があると見立て、畑から諏訪湖、富士山などを見渡す光景を浮世絵風に描写。旅人とも栽培者とも見られるように人を描いた。
「生産者に続けて作ってほしいとの思いを込めて、誰かに渡した時に下諏訪の良さが伝わり、生産者が誇りに感じられるデザインを目指した」と藤原さん。農技連事務局の町産業振興課農林係は「継続的な事業にしたいが、農家を拡充しないとできない。やりがいを感じ、少しでも遊休農地の解消に役立ってほしい」と期待している。(写真はデザインが採用された七味缶、ふたのオリジナルデザイン)