NEWS

西堀名木保存会コブシ花占い 世の中「上の中」

2025年4月13日


 西堀区の住民有志でつくる西堀名木保存会は12日、ことし一年の世相を見定める「辛夷(こぶし)の花占い」を御神木のコブシがある横河川右岸で行った。記録が残る1961(昭和36)年以降、初めて花がなくつぼみを見て占った昨年から一転、今回はほぼ満開。上向きに咲く花が多いことなどを踏まえて「上の中」のご託宣が発表されると、一同からは「よし」の声や拍手が起こった。
 幹が二股に分かれていたことから、地元では「夫婦辛夷」とも呼ばれ、県道下諏訪辰野線の横河川橋から堤防沿いの60メートルほど下流に樹齢300年余とされる大木があった。これが2000年に枯死したため、01年に現在の占い木となっている2代目を植えた。
 例年3月終わりころから4月初めにかけて花が咲き始めるとされ、同会によると今季は今月初めに開花。その後の暖かさもあって一気にほぼ満開となり、集まった30人余りは「ことしはいいぞ」「これは上でもいい」「さすがに良すぎるのでは」などと意見交換し、最終的に「上の中」に落ち着いた。
 世話人代表の篠原登さん(81)=長地片間町=は「昨年のおわびとばかりに、目いっぱい咲いてくれた。作柄も良くなりそうだが、西向きの花もあったことから若干風が強く、遅霜もあるかもしれないので種まきには十二分に気を付けてもらえたら」と話した。
 辛夷の花占いは桜より早く咲くコブシの木の下で、住民が酒を酌み交わして歓談したのが草分けとされる。終了後は故事に倣い、春風に吹かれながら花の下で飲食を楽しんだ。
(写真は、ほぼ満開となったコブシを見上げて世相を占う参加者)