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「あゝ野麦峠」巡ろう 舞台や製糸ゆかりの地行程に25日
2025年4月11日
明治中期、製糸工場へ出稼ぎに行く少女らの姿を描いた映画「あゝ野麦峠」(1979年)の舞台や、製糸業ゆかりの地を巡るツアーが25日(金)、岡谷市内で行われる。女優の大竹しのぶさんが演じた主人公・政井みねが働いた山一林組の建物や、岡谷蚕糸博物館などを訪ねるほか、多くの工女が参詣したという照光寺(本町)では宮坂宥洪住職が、作中で描かれる「女工哀史」とは異なる歴史や当時の暮らしぶりなどを語る。18日(金)まで参加者を募集している。
企画は、松本観光コンベンション協会(松本市)。協会は2023年から、飛騨と信濃を結ぶ主要路だった野麦峠を歩く解説付きツアーを実施。想像以上の反応を受けて「野麦峠がここまで有名になったのは映画の影響が大きい」と考え、ことしは第3弾まで続く「映画あゝ野麦峠を巡る旅」として、新たに作品に関連付けたツアーを実施することにした。
岡谷は第1弾で、行程は照光寺—旧山一林組製糸事務所—岡谷蚕糸博物館—中国名菜湖苑—旧今井家—塩尻峠。旧山一林組製糸事務所は施設内見学の後、岡谷商工会議所職員の案内で蚕糸博物館まで歩く。同館では学芸員の説明を受け、今なお息づく糸取りの様子を観賞。最後は作中で、みねを背負いながら兄・辰次郎が越えた塩尻峠を歩く。
協会の国内・国外誘客担当課長の瀬原田久英さんは「作品は作品として楽しみ、ツアーを通じて当時の工女たちの真実はどうだったのかを知っていただく機会になれば」と話す。
定員20人。参加費は昼食付きで1万3000円。電話(0263・34・3295)で申し込む。JR松本駅に午前8時に集合し、帰着は同駅に午後4時の予定。第2弾以降のツアーの内容は、協会のウェブサイトに掲載している。問い合わせも協会へ。
(写真は、主人公・みねが働いた山一林組の事務所棟=国登録有形文化財=)