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「八ケ岳農業大学校」に改称し新たなスタート

2025年4月10日


 公益財団法人農村更生協会が運営する八ケ岳中央農業実践大学校(原村)は本年度、校名を「八ケ岳農業大学校」に改め、新たなスタートを切った。法人専務理事でもある丸山侑佑さん(38)=同村=が1日付で新校長に就き、広大な農場キャンパスを生かした自立的な経営モデルを構築しながら、さまざまな取り組みを新たに始める。従来の実践的な農業プログラム(畑作、花き、酪農、養鶏)に加え、事業企画やマーケティング、販売現場などのフィールドで学ぶ機会を増やし、地域創生を含む新たなカリキュラムで「農業経営人材」を育てていく出発点とする。
 同校は国策の中で、農業人材の育成へ1983年に開校。2010年度に政府の事業仕分けで補助金が打ち切りとなって以降、経営難が続いていたが昨年4月に新たな経営体制に移行。10月に丸山さんが専務理事に就き、運営の改革や経営再建を進めてきた。
 校名はより多くの人に覚えてもらい、親しみを持ってもらうため「八農(やつのう)」の愛称を残しつつ改めた。旧名にあった「実践」は実践教育の理念に組み込み引き継ぐ。
 本年度からは従来の農業プログラムに加え、農業経営人材として必要な知識、経験、技術を実地で学びながら、作るから売るまでの一連の農業経営を体系的に学べるカリキュラムを再構成した。
 学生は提携先への営業にも同行。営業やマーケティングの感覚を肌で感じてもらう。直売所の運営に関わるミーティングへの参加や直売所にも立ってもらい、来場者の生の声を聞きながら経営感覚を養っていく。
 花き部門に焦点を当て、実証実験を兼ねた新プロジェクトも始動。休耕地を生かし、昨年230本の桜と2万株の菜の花を植樹した色彩ガーデンの開場(6月)、八ケ岳の粘土質の土壌を生かした子ども向けの遊び場「泥んこパーク」は今月26日(土)にオープンする予定。フラワーデザイナーやプロデューサーなど専門家とタッグを組み、景観形成への寄与、地域活性化や観光創出にもつなげていく構想もある。
(写真は、新校名の看板と共に記念写真に納まる学校関係者)