NEWS

非常持出品リスト作成 防災士の中村さん「自助」意識高揚へ

2026年8月10日


 下諏訪町内をはじめ、近隣市町村などで防災に関する講座を開く防災士の中村昇さんは、非常持出品や備蓄品の中身がチェックできるリストを作成した。A4判の用紙に、避難所で必要となりそうな非常持出品の一覧、安全に避難するために日頃から備えておくべき必需品などをイラスト入りで載せ、チェックできるようにしてある。中村さんは「令和8年熊本地震」の発生を受け、「大災害は特別なことではなくなっている。日常として捉え、一人一人が防災意識を高める切っかけにしてほしい」と呼びかける。
 講師として防災講座に出かけた際、出席者から「家には下諏訪町があっせんした非常持出袋があるから大丈夫」という声を聞き、リストを作成しようと思い立った。同袋は、リュックサックに長期保存可能な水、パン、アルファ米、保温シートなどを詰め込み「家庭用災害備蓄品」として2017年度、町が希望者にあっせん。中村さんによると「賞味期限や使用期限が既に切れているのに、そのままで大丈夫だと思い込んでいる人が多かった」という。
 町は広報などで、定期的な中身のチェックと市販品を使いながら少しずつ買い足す「ローリングストック」を呼びかけているが、中村さんは「住民に重要性を伝えるためには、もっと分かりやすいリストが必要」だと感じ、昨年から防災講座に出席した人の意見も聞きながら準備を進めてきた。
 水、非常食、携帯ラジオ、懐中電灯、簡易トイレなど17品目の非常持出品が、イラストと確認時に使うチェックボックス入りで載せられており、「安全に避難するための必需品」として靴、笛、懐中電灯を取り出しやすい身近な場所に置いておくことを推奨。持出品の留意点として▽人命最優先で常備薬、飲料水、食料、防寒具(冬場)は必須▽賞味期限や使用期限などがありチェックが必要▽重量に注意。避難所まで自力で運べる重さにする(10〜15㌔目安)—などを挙げた。氏名と年2回(夏と冬)の点検日が記入できる欄も設けてある。
 中村さんは「多くの皆さんが避難所には何でもあると考えているが、避難所には(災害発生直後)何もないと思って、自分の持出品を用意しておくことが大切」と自分で自分の命を守る「自助」の意識高揚に期待。「昔と違い、近年の異常気象もあって大災害が日常化している。災害に対する意識を変えて、常に備える気持ちを持ってほしい」と話した。
 自費で3000部用意。昨年以降に防災講座を開き、リストの作成にも協力した第一、五、六区の全戸に配布するほか、公共施設などに置いて住民に活用してもらう。今後開催する防災講座でも配布予定としている。
(写真は、中村さんが作成した非常持出品リスト。イラスト入りで分かりやすい)