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岡谷市2006年「七月豪雨」発災から20年 記憶と教訓次代へ

2026年7月20日


 岡谷市で8人が犠牲になった2006年「七月豪雨」の発生から20年となった19日、犠牲者が出た橋原、花岡両区はそれぞれ「伝承式」を各区内で開いた。年月がたって当時を知る人が少なくなっている中、多くの住民が集まって、災害の記憶と教訓を引き継いでいくと誓った。
 橋原区は、土石流が起きた志平(しびら)川下流にある「災害伝承之碑」前の広場で開いた。区役員や一般区民のほか、市や県の関係者ら約60人が黙とうをささげ、献花して犠牲者を追悼。小学生らによる「安全宣言」もあり、災害の記憶を風化させず、安心安全な地域づくりにつなげていく姿勢を示した。
 災害発生後は毎年この日に、区役員らが伝承碑を参拝していた。ことしは節目に合わせて初めて「伝承式」とし、幅広く区民にも参列を呼びかけた。
 丸山隆憲区長は「災害がなく安心安全で、希望に満ちあふれた生活が送れる橋原区となることを祈念する」とあいさつ。安全宣言では、児童ら7人が「災害の恐ろしさ、命の大切さを学び、防災に対する知識を学びます」などと5項目を読み上げ、実践を誓った。
 続いて代表者が「希望」「前進」が花言葉のガーベラを献花台に供え、閉式後は一般参列者も献花した。
 安全宣言をし児童(11)=川岸小学校6年=は「亡くなった人の気持ちを忘れたくない、無駄にしたくないと思った」と振り返った。区災害復旧対策委員会の林幸夫委員長(75)は「風化することがないよう、地域でしっかりと伝承していきたい」と語った。
 花岡区は、「小田井沢川災害伝承之碑」前で開いた。遺族や区役員、区民をはじめ、市や県関係者ら約70人が参列。犠牲者を悼むとともに、当時を知らない世代にも災害の恐ろしさや備えの大切さを伝えていく決意を新たにした。
 区によると、災害発生後は毎年、区内の船魂神社で慰霊祭を開いていたが、数年で区切りを付けた。以降、市理事者が7月19日に碑を参拝する追悼行事には区としては参加してこなかったが、節目に合わせて伝承式を計画した。
 黙とうに続いて、小口朝弘区長は「災害の記憶をもう一度思い起こし、災害のない住みよい地域をつくりたい」とあいさつ。碑の前には献花台が設けられ、参列者は1人ずつ進んで供えた。
 式典では、岡谷南部中学校3年の生徒会長(15)が、災害に関する特別授業を通じて学んだことを発表。被災者から当時の状況を聞くなどして、生まれる前に起きた災害について知ることで「互いを思いやり、助け合うことの大切さを感じた」と語った。いざというときに地域のため率先して行動し、周囲に気を配ることの重要性にも触れて「豪雨災害の記憶と教訓を未来へつないでいく」と力を込めた。
 両区の式典に参列した早出一真市長は取材に「市民の安全、安心なまちづくりを先頭に立って進めるという決意と、二度と大きな災害が起きないことへの願いを込めた」と語った。自身も上の原小学校付近で土砂撤去のボランティアに携わった経験を振り返りながら「国、県と連携してハード整備を進め、地域住民の防災意識の啓発にも力を入れていく」とした。
 (写真は、伝承碑の前に献花する参列者=花岡区)