NEWS

熊の生態、対処法学ぶ 岡谷市内全小中学校で研修進む

2026年5月16日


 岡谷市は、市内の児童生徒を対象にした熊対策研修会を開いている。昨年12月、県の特別職「県クマ対策員」を招いて川岸小学校と岡谷西部中学校で行った内容を踏まえ、市職員が各校で実施。冬眠から目覚めて出没や目撃が全国で増える中、人身被害を防ぐために生態や遭遇を避ける心得を伝えている。
 15日は小井川小であり、全校約240人が参加した。市農林水産課の地域林政アドバイザー片倉正行さん(76)が、ツキノワグマの特徴や生態を解説。体長1.2〜1.5メートルほど、体重約50〜100キロで、胸に白い三日月状の模様があるほか、人の約3倍の速さで走るだけでなく「足音を立てずに歩くこともできる」などとした。
 ふんや足跡、爪痕などの痕跡も紹介。カモシカを熊と見間違えた通報も多いことを挙げ、5本指とひづめの足跡の違いなどの見分け方も教えた。
 遭遇しないために、鈴やラジオで人の存在を知らせ、新しいふんを見つけたらその場を離れることが大切とした。出合ってしまった場合は「背を向けて走らず、大声で刺激しないよう、熊を見ながらゆっくり後ずさりして距離を取って」と呼びかけた。一方、50年以上山に入る中で遭遇したのは2回だけとして「学校や家の周りで出合うことは多くない」と過度に恐れないよう促した。
 5年の児童は熊スプレーの効果を質問し「風向きや距離に注意が必要」と助言を受けた。研修後には「鳥居平やまびこ公園によく行くので気を付けたい」と話した。
 市農林水産課によると、市内の目撃情報は2025年度18件、24年度12件と増加傾向。市は本年度、人と熊のすみ分けを明確にする「ツキノワグマゾーニング管理実施計画」を導入し、出没時の対応の迅速化や、熊が里に下りにくい環境づくりを進めている。研修会は3月に始め、6月までに全校で行う予定。
(写真は、スライドを見ながら児童が熊の生態や対策を学んだ=15日、小井川小で)