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空き家改修し独創空間 中国出身の陳さん下諏訪町小湯の上にアートギャラリー開設

2026年5月5日


 アート展示の企画を手がける中国河南省出身の陳斌(チン・ヒン)さん(44)=伊那市=が、下諏訪町小湯の上にアートギャラリー「円室(えんしつ)_諏訪」を開設した。坂の上から見渡す風景や、諏訪大社や宿場町が織り成す空気感などに魅了され、一部2階建ての木造住宅を購入。「中国の現代アートを中心に紹介し、下諏訪の街中でアートが楽しめる一つの場所になれば」と展望している。
 陳さんは2004年、技能実習生として来日。一度帰国するも改めて日本への渡航を望み、09年に東京都内の大学へ留学して介護福祉士を取得した。妻の出身地の伊那市に移住。社会福祉法人に勤め、障害者が作った畳を中国に売る仕事を担い、19年に独立した。
 かねてアートに興味があり、畳の営業活動で中国に赴いては現地の芸術家と親交を深めていた。コロナ禍の独立で畳の販売も限られたため21年、自宅隣の倉庫に「円室ギャラリー」を開設。中国から送られてくる作品を自ら展示してブログで紹介した縁で、信州高遠美術館でも企画展を毎年開いている。
 下諏訪で物件を見つけたのは、住居を探していた友人に付き添って約10年ぶりに来町した24年。用途も決めず、「導かれるようにその日に(購入を)決めた」。昨年7月から何度も通って半年ほどかけて改修し、1月に中国の作家らを招いたイベントでオープン。4月末まで、長野市の作家の企画展を開いた。
 1階を主な展示場とし、2間を1部屋にして壁を白くした奥行きある部屋や、黒塗りした畳と壁がある和室など、複数の独創的な空間を演出。2階には布団を用意し、作家が在廊や制作時に寝泊まりできるようにした。
 ことしは6月以降、中国人3人それぞれの企画展を計画しているほか、今月は中国茶の茶会も企画。特定した作家の展示がない間は、陳さんのコレクションを常設する。事前の予約を受けて開館する。
 陳さんは「温かな人たちに恵まれ、下諏訪に面白い作品が見られる場所が欲しいと言ってくれる人もいた。中国には、日本であまり知られていないすてきなアーティストがいる。作家、地元の人たちの双方が新しい刺激が受けられる場所になれば」と話している。
 詳細は写真共有アプリ「インスタグラム」のアカウント(ensitu_gallery)で紹介している。
 問い合わせは陳さん(電080・3943・8324)へ。(写真は、開設したギャラリーを説明する陳さん)