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「御神渡り」映画製作へ 4月7日までCF 協力呼びかけ

2026年2月14日


 地域の雪や氷の文化を次代に残すために活動する有志団体「雪氷文化ネットワーク」は、凍った諏訪湖の湖面が割れてせり上がる「御神渡り」にまつわるドキュメンタリー映画をつくる。御神渡りが出現しないことを指す「明けの海」が、過去最長に並ぶ8季連続となる中、諏訪の人々が書き継いできた584年にも及ぶ「御渡帳」をひもときながら、関わる人々の姿を軸に、結束や希望を見い出す作品に仕上げる構想。4月7日(火)までクラウドファンディング(CF)で資金を募り、趣旨に賛同する人らに協力を呼びかける。
 同団体は、御神渡りの観察で知り合った研究者と報道記者が意気投合し、2021年に結成。観察の光景を見る中で、諏訪湖に息づく風土や文化を「後世に残したい」と23年から映像化を模索してきた。認定と神事をつかさどる八剱神社(諏訪市)の元大総代・宮坂平馬さん、酒ぬのや本金酒造(同市)の宮坂恒太朗社長らもメンバーに加わり、CFプロジェクトがスタートした。
 作品は氷の記録にとどまらず、6世紀にわたって湖面を見つめ語り継いできた伝承を時代背景とともに解き明かしながら、かつては当たり前だった湖上のスケートや氷にまつわる記憶など、現代まで息づく風土や文化も織り交ぜながら伝える内容を想定。CFの目標額は800万円で達成した場合、監督は「諏訪シネマズ」第2号に認定された映画「よあけの焚(た)き火」(19年)を手がけた土井康一さんが務める予定。今春から撮影を開始し、27年8月の完成を目指す。
 八剱神社も撮影に協力し、宮坂清宮司(75)は「御渡帳は命をつないできた『生きた歴史』が表れている。明けの海でも、拝観できても大事な一つの結果が点として集まり、線となって歴史が紡がれ584年目を迎えている」と強調。「気候変動適応」の研究者でもある、同団体の福村佳美共同代表(兵庫県)は「毎朝の観察は将来世代のために何を残そうとしているのかを記録し、日本、世界の人と共有し、将来の子どもたちにも見てもらいたい」と思いを込める。
 CFは、サイト「READYFOR」で「長野県諏訪 御神渡りの神秘に迫るドキュメンタリー映画を作りたい!」と検索する。問い合わせは同ネットワークのウェブサイト(https://winterculturejapan.wixsite.com/home/ja)へ。
(写真は、ドキュメンタリー映画製作に向けCFを発表する同ネットワークのメンバーと関係者)