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無数の光走る幻想的な世界 辰野町の空き倉庫に作品展示

2025年12月23日


 辰野町下辰野の旧安藤精麦の空き倉庫に、光が織りなすインスタレーション(空間芸術)作品が展示された。町内にアトリエを構える現代美術家の千田泰広さんの作品で、暗い建物内に張り巡らされた糸にプロジェクターの光が当たり、無数の光線が浮かび上がる。幻想的な光景がつくり出され、訪れる人を魅力している。
 空き倉庫の床面積は約200平方㍍で、高さは最大約8㍍。千田さんは工業用ミシンの糸を張っており、長さは延べ32㌔にも及ぶという。プロジェクターは4カ所に置き、自作の音楽に合わせて光の当て方や強さを変える。5分のプログラムを構成し、時間内は光の線があらゆる方向に絶えず走り続ける。
 千田さんは国外でも活動し、作品は高い評価を受けている。今回の作品は「アナレンマ」という代表作。町の一般社団法人「○(まる)と編集社」のアートイベント「トビチ美術館」の一環で8月に展示し、11月から公開した。
 同法人によると、来場者は「辰野の蛍に見える」「頭の中のシナプスのよう」「海の中にいるみたい」などと多様な捉え方をしているという。赤羽孝太代表理事(44)は「未知の体験が待っているので、ぜひ来場してほしい」としている。
 年内は27(土)28(日)両日に開場し、年明けは毎週土曜日に予定する。午前10時〜午後4時半に、光を当てる上映を6回行う。1回の上映は30分。入場料は高校生以上1000円で、このうち半額は中学生以下の入場料として立て替えられる。問い合わせは赤羽代表理事(電090・7193・3589)へ。
(写真は、空き倉庫内には延べ32㌔にも及ぶ糸が張り巡らされ、光が当たると光の線が走る)