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辰野町に「おかずマルシェ」

2025年12月4日


 辰野町上辰野、児童養護施設職員の阪本博美さん(38)が、子育て世帯の助けになればと、町内の店で仕入れた総菜や菓子を販売する「おかずマルシェ」を始めた。月1回、平日の夕方に下辰野商店街の貸しスペースを会場に開く。マルシェを通じ、子育てを家庭だけでするのは難しく、地域に支援の担い手が必要なことを伝えていきたい—としている。
 阪本さんは、16年前から岡谷市の児童養護施設「つつじが丘学園」に勤務する。同施設には、さまざまな事情で家庭で暮らすのが困難な子どもたちが生活している。そんな子どもたちを見ているうちに「社会全体で子育てをしなければいけない」という思いを強くしていった。
 「地域で自分にできることは何か」と考えていたところ、やってみたいことや特技を仕事にする「小商い」の連続講座が昨年町内で開かれた。阪本さんも受講し、自分に合った小商いに思いを巡らす中で、夕飯を作る保護者の負担軽減につながるマルシェのアイデアが生まれた。
 初回のマルシェは、11月20日に開催。コロッケ、グラタン、マリネ、ポテトサラダなどを販売し、子連れの保護者が来場した。児童養護施設の活動、さまざまな事情で親元で暮らせない子どもを養育する里親制度、保護者が一時的に面倒を見られない子どもを自宅で短期間預かる事業などについても紹介した。
 阪本さんは「いろいろな方法で地域の子育てを担うことができる。マルシェで子育てをする人の負担軽減を図りつつ、子育て支援の方法を知ってもらい、担い手を増やしていきたい」と話している。
 次回は、25日(木)午後4時〜6時半に開かれる。会場は、自転車の貸し出し拠点「グラバイステーション」として以前活用されていたスペース。
(写真は、先月に始めたおかずマルシェで販売する阪本さん)