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飢民救済の庭錦に染まる 下諏訪町慈雲寺
2025年11月17日
下諏訪町東町中にある慈雲寺で、本堂裏にある「池泉(ちせん)庭園」の紅葉が見頃を迎えた。色とりどりの紅葉が庭を染め、庫裏のガラス窓に反射したり、池の表面を覆ったりして幻想的な雰囲気を醸し出している。庭園の奥にある数寄屋造りの茶室では24日(月=振替休日)、茶会が開かれる。
同寺によると、庭園は1837(天保8)年に現在の様式になった。天保の大飢饉(ききん)の影響が残る年であり、築庭工事には飢民救済や豊年満作の願いが込められ、「見立て石」にもそうした願いの表現が読み取れることが、近年の調査で分かったという。
庭園の最も奥に2016年、犬養毅元首相(1855〜1932年)の別荘「白林荘(はくりんそう)」(富士見町)にあった数寄屋造りの茶室を移築。同荘所有者の取り壊し計画を知った岡谷市の作庭家小口基實さんの進言を福田精裕住職が受け、開山者700年遠諱(おんき)記念事業として、04年から12年をかけて保存、修復、整備した。
茶会は日本文化の伝承事業などを行う「しるしイノベーション」(高浜)が開催。同社代表取締役の近藤泰二郎さんによると、午後1時半同寺山門に集合し、庫裏で茶道具を見た後、本堂で両角昌幸さん(松川村)による尺八の演奏を聴く。数班に分かれ、普段は非公開の茶室で、晩秋の庭園をめでながら「心静かにお茶を一服する」(近藤さん)。(写真は、紅葉に染まる慈雲寺の池泉庭園)
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