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未来へ行動起こそう 県が諏訪で県民会議

2025年11月15日


 県は13日午後、人口減少やそれに付随する課題を多世代による対話、交流で考える「私のアクション!未来のNAGANO創造県民会議」を諏訪市駅前交流テラスすわっチャオで開いた。県内10広域圏を巡る「県民会議キャラバン」の第6弾。経営者や就労者、県、行政職員ら50人が参加し、圏域の企業2社の経営や取り組みを聞いたり、グループワークで地域や県の未来、これから各自が取り組む行動を考えたりした。
 県は昨年12月、「信州未来共創戦略」を策定。行政や県民、企業、地域がそれぞれの垣根を越え、急激な人口減を緩和しつつ、社会全体で適応するために一人一人が具体的な行動を起こすことを目指そうと、県民会議を発足させた。戦略で示す2050年の「ありたい姿」、30年までとする多様な目標の達成へ地域の活動者を軸に、取り組みを参加者同士で共有し、活動の輪を広げて行動を起こす切っかけにしてもらうことなどを狙う。
 前半は、「人が育ち、技術がつながる企業とは〜諏訪地域の実践者とみんなで語り合う〜」がテーマのゲストトーク。ばね製造加工メーカーのミクロ発條(諏訪市)の小島拓也社長は「世界トップのばねメーカー」を目指すために役職名を廃止し、横の関係強化へ互いを愛称で呼び合うことや、自分らしく挑戦できる環境風土を整えるなど「心理的安全性の担保」を大事にした「三方良し」の経営実践を発表。精密切削加工を行うトップマクト(富士見町)の小林慶彦社長は人材を取り合う風潮を脱却し、人材を生かし合う方向へ転換しようと、町内の企業同士がつながり、人と技術を共有して人材循環させる横連携の取り組み「地域のチーム経営」を紹介した。
 続いて7、8人で輪になり、感じたことなど自由に意見を交わし合った。異業種の意見や価値観に触れつつ、今後やりたいことや、できる行動をアクションシートに思い思いに記入した。総合建設業、スワテック建設(諏訪市)総務部の岩波龍一部長(41)は「(これまで)多様な業種の人と社会問題をテーマに話をする機会はなかったので、貴重な時間だった。会社の悩みからヒントになるような新しい視点も得られた。人を育てることについて、改めて考えていきたい」と収穫を口にした。
(写真は、会社の目標に向け、改革した経営について語るミクロ発條の小島社長)