NEWS

児童が打ち上げ実験 WSでものづくりの魅力に触れ SUWA小型ロケットプロジェクト

2025年11月14日


 信州大学と諏訪地域の技術者らが取り組む「SUWA小型ロケットプロジェクト」は13日、小学生を対象にした本年度初のワークショップ(WS)を上の原小学校で開いた。プロジェクトマネジャーで、信大の中山昇特任教授を講師に5、6年約50人が、ロケットに使用される材料やエンジンの仕組みなどを勉強。モデルロケットの打ち上げ実験もして、ものづくりの魅力を肌で感じた。
  WSは将来のものづくり人材を育成するため、地域で盛んな産業に触れ、宇宙産業にも関心を持ってもらおうと企画。かつては諏訪6市町村の小中学校で行い、2023年度からは岡谷市内小学校のみを対象にしている。
 実験を前に中山特任教授が講義し、児童は「予想をする」「やってみる」「結果を確認する」ことが日常生活でも行われていると教わった。ロケットにも用いられる鉄やアルミニウム、炭素繊維強化プラスチックなど5種類の材料の重さを量る実験では、体積や密度を計算して木が最も軽いことが分かると、驚きの声が上がった。
 校庭での打ち上げ実験では、紙とプラスチック製の高さ約30センチ、直径2.5センチ、重さ30グラムの8機を使った。「発射準備完了」「低空飛行物体なし」と声をかけてから、代表児童がボタンを押して点火。煙を上げて飛ぶと「すごい」と歓声が上がり、上空でパラシュートが開いて落下すると拍手が起きた。
 5年の男子児童(11)は「軽い材料でないとロケットが飛ばないと初めて知った。ロケットや宇宙に興味が湧いた」と笑顔。中山特任教授は「実験で少しでも学びがあれば。興味をもって勉強に励んでほしい」と願っていた。
 プロジェクトは諏訪6市町村が信大に委託し、15年度にスタート。23年度までに諏訪湖などで計9機の打ち上げ実験を成功させている。23年度から信大が事業主体となり、同大と包括連携協定を結ぶ市も参画する。
 本年度のWSは小井川、川岸を含む3校で計画し、残り2校では14日に行う。
 (写真は、モデルロケットを打ち上げる子どもたち)