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介護施設利用者がホップ栽培 諏訪浪漫新商品あす発売

2025年11月12日


 一夢希(諏訪市中洲、藤森史考代表取締役)が運営する介護事業所2施設の利用者らで栽培したホップを使った地ビール「諏訪浪漫ビールフレッシュホップエール」が、13日(木)から販売される。麗人酒造(諏訪2、鎌田晴之代表取締役)と連携し、生ホップの爽やかな香りと心地良い苦みが引き出されたビールには、「年齢を重ねても夢を持ち、仲間と共に自分らしく生きてほしい」との事業所の思いも詰まる。
  一夢希は利用者の社会参加の一環で、2023年からビールの原材料となるホップの栽培に挑戦。クラフトビールを製造する麗人酒造が、収穫したホップ約4キロを原材料の一部として試験的に醸造した。2年目の昨年度は諏訪市の産業連携事業補助金を活用し、ラベルパッケージデザインやホップ加工機材を購入したが、猛暑や畑の水はけなどの問題から度々病気が発生し、不作に終わった。
 この失敗を教訓に、本年度は山梨県北杜市の農家から栽培指導を受け、市内4カ所計145平方メートルで栽培。最も広い畑では高さ3メートル、長さ30メートル、幅4メートル棚を設けて生育時期に合わせた適切な作業を進め、全体で18キロを超す収量を確保できた。
 作業には宅老所「いぶき」と「いぶき ゆいの家」の約人が苗木作り、定植、除草などに出向き、まり花取りなどに携わった。利用者らは「作業で仲間に会えるのが楽しみだった」「みんなでわいわいやるのが面白かった」と振り返る。藤森代表取締役(47)も「あきらめずに挑戦した成果が表れた。今後も継続したい」と利用者の姿に後押しされる。
 醸造を担った麗人営業部の小口雅史部長(51)は「通常は外国産のペレット状のホップを使うので、生ホップは初めて。どんな仕上りになるか不安もあったが、納得のいくものになった」とする。パッケージデザインを担当したnostyle(諏訪市)の小林ルリ子さんは「青空に輝くフレッシュグリーンのホップの爽やかさと施設の人々の熱く優しい思いを込めた」という。
 350ミリリットル、税込み550円。3600本限定。麗人酒造のほか、地域の酒類小売店やスーパーなどで販売する。
(写真は、諏訪浪漫ビール発売を喜ぶ関係者たち)