NEWS

箕輪町内戦没者の足跡たどる 博物館で25日から「戦後80年特別展」

2025年10月18日


 箕輪町郷土博物館は25日(土)から、町発足70周年記念特別展「アジア・太平洋戦争と箕輪」を同館で開く。戦後80年の節目の年にちなみ、箕輪の地から戦地に赴いて亡くなった人の遺品など100点ほどを展示。町遺族会が2000年に刊行した「英魂録」などから町内戦没者の足跡もたどり、戦争について考える機会にする。
 甚大な被害を出した惨禍を再び繰り返さないため、戦争に関わった郷土の歴史を知ってもらおうと、「戦後80年特別展」としても企画した。展示するのは、同館が所蔵する軍服やリュックサック、靴、防空頭巾、焼夷(しょうい)弾の破片、出征旗、日章旗、勲章など。遺族から借りた遺影や遺書、家族に届いた手紙、死亡通知書、模擬銃なども並べる。
 町遺族会の英魂録は、旧東箕輪村が1952年に出した「英魂録」と、旧中箕輪村が53年に作成した「忠魂録」を合わせてまとめた戦没者名簿。西南戦争から太平洋戦争までに亡くなった596人の軌跡が記されている。同館では他の文献も参考に戦没者の年齢や死因、所属、戦役などを出身区別にまとめ、データ資料で紹介する。
 1894年の日清戦争から1945年の太平洋戦争終結までの経過と戦いの様子も学徒出陣や原爆投下、満蒙開拓移民などの解説を交えてパネルで展示。渦中にあった町内戦没者の動向も伝え、「館として今まで触れてこなかった部分。日本の戦争に地方の箕輪もほぼ関わっていた事実を知ってもらいたい」としている。
 入館無料。2階展示室で11月24日(月=振替休日)までの午前9時〜午後5時。月曜日と祝日の翌日が休館。3日(月=祝日)午前10時と午後2時には学芸員による解説、15日(土)午前10時には「箕輪学講座」として、展示内容を掘り下げた説明会も予定する。問い合わせは同館(電0265・79・4860)へ。(写真は「英魂録」を手に特別展をPRする町郷土博物館の職員)