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筆が生み出す各地のぬくもり 原田泰治美術館で2月まで「日本ふるさとぐるり旅Ⅰ」
2025年10月4日
諏訪市原田泰治美術館(渋崎)は、「原田泰治の世界 日本ふるさとぐるり旅Ⅰ」を開いている。59点の作品を鑑賞しながら47都道府県を巡る試み。原田さん独特の筆致が生み出した作品は、それぞれの地の自然と空気、そこに暮らす人々のぬくもりを感じさせる。来年2月15日(日)まで。
展示作品は、朝日新聞日曜版連載が始まった1982年から2013年までの6〜50号。2階展示室には沖縄県石垣市で取材した「水牛と老人」(1983年作)を手始めに順次北上する形で作品を並べ、北海道稚内市の「最北端の町」(同)が終点。
日曜版連載は2年半続いた。足に障害があり、それまで修学旅行ぐらいでしか電車に乗ったことのない原田さんが、全国各地を取材で巡り、1週間に1枚を掲載するハードなスケジュールをこなしたという。
途中には、カメラにフィルムを入れたり、干しだこが並ぶ場所に立ったりするなど、原田さんの取材中の写真4点も織り交ぜた。同館学芸員の岩波亜希子さんは「何枚もの写真を撮ってはアトリエで描いたが、現地の人から話を聞き、その地の人たちのぬくもりを絵や文章で表現した」と話す。問い合わせは同館(電0266・54・1881)へ。(写真は作品を通して全国各地を旅する気分が味わえる展示)