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箕輪町の先進的な取り組み参考に 脱炭素推進で整備の庁舎設備

2025年9月14日


 箕輪町が本年度、ゼロカーボン推進事業として整備した庁舎北側ソーラーカーポートなどの役場周辺施設(MSPG)。太陽光パネルで発電した電力を自営線を通じて庁舎や周辺施設で融通し合うなど再生可能エネルギーの地産地消を進める先進的な取り組みとして、4月の稼働以降、10を超える自治体や企業、業界団体が視察に訪れている。12日には、松本平ゼロカーボン・コンソーシアムの会員や法政大学の学生など約30人が来町。施設を見て回ったほか、町ゼロカーボン推進室の川合昭室長から取り組みの詳細や効果などを聞き、今後の参考とした。
 同コンソーシアムは2022年に、松本地域の6市村や信州大学、約100社の企業などが、脱炭素やエネルギー自立地域の形成促進を目的に設立。各地の先進的な事業の視察や、研修会の開催などを通してゼロカーボンの推進に取り組んでいる。
 本年度町が開催した「気候町民会議」で統括ファシリテーターを務め、町のゼロカーボン推進事業へのアドバイスや支援を行っている法政大学社会学部の茅野恒秀教授が、同コンソーシアムにも携わっていることから今回の視察を企画。茅野教授のゼミで地域課題や環境問題などを学ぶ法政大学の学生6人も参加した。
 ソーラーカーポートでは、運用状況など聞きながら受変電設備や蓄電池、国内最大級の10基を備える蓄電池とEV(電気自動車)の双方向充電器などを見学。川合室長は「災害時の電力供給(システムの構築)をどうしても成し遂げたかった」と話し、停電が発生しても災害対策本部の5日分の電力が確保できることなどを紹介した。
 見学後は、地域交流センターで川合室長がMSPGの計画策定の経緯や町のゼロカーボン推進事業の全体像などを説明。質疑応答では、事業実施に伴う役場内の意識の変化や、事業発注の流れなど、具体的な質問も多く上がった。
 同コンソーシアム事務局を努める松本市環境エネルギー部環境・地域エネルギー課の工藤太陽さんは「大きな事業の具体的な進め方を聞くことができ、とても参考になった」と話し、法政大学の学生は「かなり先進的な取り組みだと感じた」、「東京などでも取り組んだ方がいいと思うが、場所や行政の規模など難しい部分もあるのでは」などと感想を語っていた。
(写真は、説明を聞きながらソーラーカーポートの設備などを見学する参加者)