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伝統野菜「上野大根」 歴史つなぐ種まき
2025年8月31日 諏訪市農業技術者連絡協議会は30日、信州の伝統野菜「上野大根」の種まき体験会を上野公民館近くの畑で開いた。市内の親子8組26人が参加し、豊田上野地区で300年ほど前から続く栽培の歴史を感じながら作業を楽しんだ。
昨年度は台風で中止したため、本年度初開催となった種まき体験会。上野大根農事組合の前組合長、笠原憲一さん(59)の畑に種をまき、トマトやキュウリといった夏野菜の収穫体験を併せて実施した。
上野大根は同地区で栽培される「諏訪湖姫」という品種で、硬さと辛みが特徴。主に漬物として加工され、コリコリとした食感にファンも多い。辛みを生かした大根おろしは、名物「おしなそば」に使われる。
参加者たちは1家族約200本分の種をまき、大きく育つことを願って丁寧に土をかぶせた。大根は販売用を含むため、品質が均一になるように心がけて作業した。
参加した中学生はは「大根の種まきはあまりやったことがなかったので、貴重な体験になった。種をまいた後、土を抑える圧力のかけ方が難しくて、プロはすごいと思った。漬物が好きなので、収穫できたら食べてみたい」と話した。
収穫は11月を見込む。上野大根を使った漬物作り体験を改めて企画するという。
笠原さんは「大勢参加してもらって良かった。地区の中で若い人が少なくなっているので、体験会やボランティアを通じて、伝統野菜を守ってくれる人が増えたらありがたい」と願っていた。
(写真は、丁寧に種をまく子どもたち)