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岡谷太鼓まつり 天地を震わせて閉幕
2025年8月15日
市民祭、第56回「岡谷太鼓まつり」は14日、本祭りが本会場のイルフプラザ平面駐車場などで行われた。2日間を通じ、間口60メートルの「メーンステージ」では、岡谷太鼓保存会が多彩な鼓曲で観衆を圧倒。企画ステージは、初披露となる2曲を組み込んで半世紀を超える岡谷太鼓の伝統に新たな歴史を刻んだ。
企画ステージで披露したのは「鵠舞(こくぶ)」と「鐵の響(くろがねのひびき)」で、いずれも1973年から続く保存会の「打ちくらべ大会」で発表された曲という。大会は加盟連がそれぞれの特色を生かし、競い合うことを通じて技術向上を図る目的で実施。この中から祭りの顔ともいえる「揃(そろ)い打ち」の鼓曲も複数生まれてきた。
「鵠舞」は毎冬、諏訪湖に飛来する白鳥から着想。越冬して北帰行する姿に故郷を思う心を重ねて曲にしたという。「鐵の響」は地響きと共に堂々と走る蒸気機関車の姿や、汽笛の音などを表現した。
保存会によると、2曲とも過去の打ちくらべ大会の中で「打ってみたい—」との声が多かったものを選んだ。同会の代表者部会長、原山日出男さんは「これまでは過去の曲を演奏する側面が大きかったが、新曲への挑戦で新たな一ページを刻めた」とした。
この日も太鼓演奏に加え、本会場や周辺では多彩な企画。先陣を切った「みこしパレード」は湊、川岸、長地の3地区が大きさの異なる太鼓みこしを担いで練った。祭り企画委員会のみこし連部会、山田雅彦部会長は「みこしの魅力を伝え、未来に継承したいと参加している。若手の頑張りはうれしく、存分に担いでほしい。市民祭の主役の一つとして最後まで盛り上げたい」と話した。
本祭りは昨年、強雨の影響で一部を除いて中止としたため、2年ぶりの企画も。踊りパレードの「MINAKOIわっさか」は、振り付け、楽曲とも自由の「フリースタイル部門」が前日に続いて行われたほか、昨年はできなかった盆踊りのように楽しむ「流し踊り」が祭りの終幕に花を添えた。(写真は企画ステージでは初披露された「鵠舞=こくぶ=」)