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イオン来年秋に開店へ 町の子育て・多世代交流施設を併設 下諏訪町
2025年8月13日
イオンリテール(本社・千葉県)は12日、下諏訪町にある旧「イオン諏訪店」跡地に2026年秋、新たなショッピングセンター「イオンスタイル諏訪」を開店すると発表した。同社直営の平屋建て店舗と、専門店や「子育て・多世代交流施設」をコンセプトとした町の新施設が入る2階建ての専門店棟を設ける計画。専門店棟の屋上には諏訪湖を見渡せる展望デッキ広場を備え、観光客を含め多世代が交流できる「買い物プラスアルファ」を実現する施設を目指す。
同社と町が町役場で会見を開き、明らかにした。旧イオン諏訪店は18年、建物の老朽化などから休業。23年、同社と町がまちづくりに関わる連携協定を結び、25年度中の開店を目指すとしていた。資材が高騰する中でも、町との協働でほかにない新たな店舗にしようと計画し、開店予定時期が遅れたという。
新店舗の敷地は、一部借り上げもして約2万1060平方メートル。車200台程度が止められる駐車スペースも想定している。直営店舗では、食品を中心に健康や美容に関わる商品などを取り扱う計画。総菜などの冷凍食品も充実させる考えで、喫食スペースも設ける。
専門店棟では、1階に住民ニーズに応じたテナントを入れる計画。展望デッキを備えた店舗デザインは同社で初めて。一部1階建の部分もあり、各屋上には人工芝を敷いたりベンチを置いたりすることを想定している。町とも調整しつつ、2階の町施設を含めてミニコンサートなどイベントも計画するという。
23年の協定締結時に発表したドローンでの商品配送は、災害時の物資運搬など検討を進めている。会見に出席した同社中部カンパニー長野事業部の佐藤大部長は、「子育て世代の利便性を高めて頼りにされる生活拠点、『サードプレイス』にしたい。町のシンボルとなる店舗に仕上げ、全国でここにしかないイオンとしての話題づくりも積極的に行い、地域やまちおこしにも貢献したい」と話した。
12日、イオンリテールとの会見に出席した宮坂徹町長は、「待ちに待った発表の日。近隣住民の買い物に対する利便性向上が図れるとともに、新たな交流拠点としても期待する」と同社の発表を歓迎。専門店棟2階に整備する町の子育て・多世代交流施設について、「子育て支援を充実させつつ、多世代が気軽に集いつながる場としたい」と話した。
同社との協定締結を受けて2023、24両年度、町は多世代の住民たちから新施設への意見を聴取。乳幼児や小中高生の居場所機能、多世代が交流できる機能などが求められたことから、方針を示していた。
新店舗の開店方針を受け、下諏訪商工会議所の小林秀年会頭は、経済界を代表してコメントを発表した。「コロナ禍、資材高騰などで再開店が危ぶまれたが、発表に感謝。線路南側地域の活性化や、集客の核になってほしい」と期待。町に対し、開店の影響を受ける可能性がある中心市街地の商業へのてこ入れ、新店舗への交通手段がない消費者への支援なども求めた。(写真は、会見した宮坂町長=左=と佐藤部長)