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白線間隔広い横断歩道 茅野駅近く県内初設置

2025年8月5日


 JR茅野駅近くの「市民館前」交差点(茅野市塚原)の改良工事に合わせ、県公安委員会は現地に従来より白線の間隔が広い横断歩道を設置した。県警本部や茅野署によると、県内初の事例。通常のタイプに比べてドライバーからの視認性が高まり、一層の歩行者の安全確保につながるほか、白線の消失抑制効果も期待できるという。
 白線の間隔は「道路標識、区画線および道路標示に関する命令」で45〜50センチと定められていたが、昨年7月に最大90センチまで広げられるようになった。同交差点の改良は、永明小中学校の建て替えに伴う周辺道路整備の一環で茅野市が計画。丁字路から十字路交差点となり、1日から利用できるようになった。
 一方で「目の不自由な人が認識しづらくなるのでは」などの声もあることから、中央付近にはこれまでと同様、視覚障害者が横断方向の手がかりにする白と黒の点字ブロックを備えた「エスコートゾーン」、歩行者信号が青になったことを擬音で知らせる「音響信号機」も整備されている。
 4日には、県警と茅野署が現地で視覚障害者が横断する様子を見ながら安全性や課題を確認。永明小の関係者2人も訪れ、通学路になる児童の指導の参考にした。視覚障害者の男性は「幅の広さに違和感はなかった」とほっとした様子。永明小の教頭は「市街地にあって交通量も多い交差点。教職員を通して子どもたちにも変更点を共有したい」と話していた。
 県警本部交通部交通規制課の課長補佐は「視覚障害者の方が認識できるように、県視覚障害者福祉協会(松本市)と話し合いを進めながら整備した。メリットとデメリットもあるので、さまざまな人から意見を聞いて今後に生かしていきたい」とした。(写真は白線の間隔が広い横断歩道を体験)